三重県内でクマに襲われて重傷者が出たことに伴い、県南部を中心に警戒感が広がっている。小中高校では夏休み明けから通学時の安全を確保するため、スクールバスの運行などの検討も始まった。一方、県内に生息するクマは、絶滅が危惧される生物として環境省から指定され、原則として捕獲・駆除が禁じられている。一見勝之知事は22日の定例記者会見で、捕獲・駆除できるよう規制緩和を環境省に申し入れる考えを示した。(増実健一、根岸詠子) 今月14日、大紀町の熊野古道「ツヅラト峠」で、大阪府から訪れた登山客がクマに襲われ、重傷を負った。県は住民に注意を促す「県ツキノワグマ出没注意報等(クマアラート)」を10市町に発令。大紀、紀北町は「警報」、松阪、尾鷲、熊野市と明和、多気、大台、御浜、紀宝町は「注意報」とした。 一見知事は22日の会見で、「県民の安全が大事。本当に保護対象でいいのか。駆除対象にした方がいいのではないか」