※当記事は緊急事態宣言以前の2020年3月に取材しました。なお、旅館や棋士に関する情報は2020年9月時点のものです 「陣屋カレー」という将棋界の神グルメがあるのをご存じだろうか。 そもそも将棋の世界では観戦を主な楽しみとするファン層「観る将(みるしょう)」がいる。その観る将の楽しみの一つが、対局中の棋士が昼食や夜食に何を食するのか、おやつは何かという「グルメ」なのである。 棋士の中には、肉豆腐定食に餅を追加する者、冷やし中華を二杯食べる者などもいる。加藤一二三・九段が現役時代、40年間もうな重を愛し続けたことは観る将の基礎知識だし、藤井聡太棋聖が最年少タイトル保持者となった対局で味噌煮込みうどんを食べたことは多くの一般メディアが報じた。 これらはファンの間で話題になったり、同じお店で同じメニューを注文したりするほどの評判になる。 本題に移ろう。神奈川県の鶴巻温泉には、囲碁・将棋のタイトル