悪名高い北京の大気汚染も、オリンピック期間中は影を潜め、青空が広がった。中国政府はこの「オリンピック・ブルー」を実現するために、周到な準備と大気汚染対策を打ってきた。ただ、一部の地区では「空気が汚れるから薪を燃やすな」との指示が出され、寒さに耐える市民の姿も。その実情を取材した。 今年1月、中国政府は「去年の北京の大気が中国の環境基準を初めてクリアした」と発表。 確かに筆者が北京に住み始めた3年前よりも、少しずつ青空の日が多くなってきている。ただそれでも、日本と比べると大気汚染ははるかに深刻で、オリンピックが開幕する直前まで、遠くの景色がかすむ日が続いていた。 本当に青空が広がるのか心配したが、結局、大会期間中は雪が降った日を除き、おおむね青空だった。 世界から注目される五輪に合わせた青空の演出は、素直に感心した。 一方で、“オリンピック・ブルー”とも言われる青空を実現するために打った対策