過去の狂犬病集合注射の様子。毎年4~6月に実施されるが、今年は新型コロナウイルスで延期や中止が相次いだ(大阪府獣医師会提供) 年1回の実施が義務付けられた狂犬病予防注射の接種率が、犬の登録総数の7割にとどまっていることが24日、厚生労働省への取材で分かった。行政に飼い犬としての届け出のない未登録犬を加味すると、接種率は実質4割程度との見方もある。愛知県では今月、来日後に狂犬病を発症した男性が死亡。国内では14年ぶりの発症だった。発症後の致死率がほぼ100%の怖い病気だが、国内では撲滅したとされ、危機意識はいまひとつ。専門家は「飼い主は自覚を持ってほしい」と話す。(桑村朋、土屋宏剛) 【グラフ】世界で死者5万人以上…「狂犬病」主な国の発症状況 ■ワクチンで防げるが… 今月13日、愛知県豊橋市の病院で外国籍の30代男性が死亡した。市によると男性は2月、フィリピンから来日。5月に足首や腰の痛み、