1年間にわたり、清帝国当局は、ロシアの金採掘者たちが自前の「共和国」を満州につくったことに気がつかなかった。 19世紀末、ゴールドラッシュが、ロシア帝国の極東と隣接する満州(現中国東北部)をも襲った。何万人もの「自発的な金採掘者」が、多くの鉱山に押し寄せた。金を掘るためだが、それが合法的に行われるとは限らなかった。 ときには、そうした鉱山を中心に、一応の体裁を備えた「国家」ができることさえあった。それは、自分たちの「大統領」、立法および司法の機関、法執行機関、さらには軍隊を備えていた。そういう「国家」の中で最も有名なのは、ロシアの貴金属ハンターがつくった「ジェルトゥガ共和国」だ。これは当時、「アムールのカリフォルニア」、あるいは単に「ジェルトゥガ」と呼ばれていた。 注目すべきは、ロシアの「国家」が満州につくられたことだ。そこでは、無許可の金採掘には死刑が科されていたのに、自由を謳歌したジェ
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