地元の惨状収めた写真集 名取・閖上の男性が出版 斎藤さんが出版した写真集 宮城県名取市閖上で写真館を経営していた斎藤正善さん(59)が、東日本大震災で壊滅した古里を写した写真集「閖上地区の全記録」を自費出版した。「閖上で唯一の写真館として記録に残さなければ」との思いに駆られ、震災直後のがれきの町を歩き、涙を流しながらシャッターを切った労作だ。 閖上1丁目の商店街沿いにあった斎藤写真館は1932年の創業で、斎藤さんが3代目。跡継ぎの長男司さん(29)と親子で経営していた。 震災当日、写真館の1階は津波で浸水したものの、スタジオがあった2階は被害を免れ、カメラなどの機材も無事だった。斎藤さんは所用で塩釜市にいたが、司さんら家族3人は近くの閖上小へ避難した。 斎藤さんは塩釜から帰宅途中、人命救助にも関わりながら夕刻には閖上に到着。自宅で一夜を明かし、翌朝から本格的に撮影を始めた。 津波が