『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 6 回 富岡製糸工場のすごい技術移転 月刊『マガジン・アルク』 2006/09号 要約:富岡製紙工場の女工の状況を描いた『富岡日記』は資料的価値だけでなく読み物としても実におもしろく、その技術を学んだ彼女が地元に戻ってはじめた六行社の記録も驚異的。一年でこれだけの技術を身につけて教える側にまわるとは! なぜ当時の日本の女工にそれができたか(そしていまの途上国にできないか)は大きな課題だ。 仕事が受注できずにずっと日本にいると、だんだん部長の視線が厳しくなってきて最近なかなか肩身の狭い状況なのだけれど、その分国内で、日本の産業発展とか工業化についてあれこれ考えたりしている今日この頃。その中で久しぶりに本棚から引っ張り出して、読むだけでなくスキャンしてインターネットにあげてしまったのが、「富岡日記」という本だ。 これは実におもしろい。明治の富国強兵策の