Q:温暖化が急速に進む北米東海岸のメーン湾。ロブスターに生じる可能性がある影響は? 外骨格が強化される幼生がより速く成長する外骨格が溶ける 文=トム・ミューラー 写真=リチャード・バーンズ クジラの祖先はどんな姿で、どのような環境に生きていたのか。砂漠に埋もれた数千万年前の化石が、その謎を解く鍵を握っている。 3700万年ほど前のことだ。2つの超大陸に挟まれたテチス海で、1頭の巨大な生物が息絶えた。体長はおよそ15メートルに達し、大きなあごと鋭い歯をもつ生物の死体は海底に沈み、何万年もの時をかけて堆積物(たいせきぶつ)に埋もれていった。 海はやがて後退して砂漠になり、吹き荒れる風によって砂岩や頁岩(けつがん)の層が少しずつ削られる。世界もゆっくりと変わっていく。インド亜大陸とアジア大陸が衝突してヒマラヤ山脈ができた。アフリカ大陸では人類の祖先が二足歩行を始めた。やがて、エジプトに壮大なピラ