ブックマーク / kaiyoukokubou.jp (7)

  • 軽戦車ではなくMPF?アメリカのM10戦闘車ブッカーとは

    空輸性に優れた新型戦闘車 長年にわたって「世界の警察官」を務めてきたアメリカでは、より迅速な戦力展開を目指して「旅団戦闘団(約4,500人)」というのを編成してきました。とりわけ有名なのが、96時間以内にどこにでも駆けつけられる陸軍の緊急展開戦力、ストライカー旅団戦闘団です。 一方、歩兵を中心とした旅団戦闘団では、輸送ヘリで空輸できる「M777榴弾砲」を主な火力支援に使っていますが、これはロシアウクライナ戦争の砲兵戦では損害が目立ち、再び正規戦にシフトするなかで性能不足が指摘されています。 そこで、米陸軍は高機動の新型火砲を求めたところ、軽戦車とも評される「M10ブッカー」が誕生しました。 来は「MPF(Mobile Protected Firepower:機動防護火力)」と呼ばれていたもので、イラク戦争と第二次世界大戦で戦死した2人の兵士から「ブッカー(Booker)」と命名されまし

  • ゲームチェンジャー?ドイツの新型戦車「KF51パンター」

    大火力を誇る130 mm主砲は射程距離が約50%も伸びたうえ、ネットワーク化された最先端の射撃システムはさらなる高精度をもたらします。 レオパルト2にはなかった自動装填装置を搭載したことで、評価試験では16秒間で3発という連射能力を披露しました。自動装填装置にはあらかじめ20発が装填されているほか、車外からの給弾作業も5分以内で完了します(10発の予備弾を車内に収容可能)。 また、装填作業の自動化によって乗員数は3名に減り、余分に設けられた座席には中隊指揮官やドローン操縦士が乗る形です。 一方、防御面では最新技術を使った三層構造の装甲を持ち、砲弾や対戦車兵器に対する耐久性を高めました。これは従来型のモジュール装甲に加えて、弱点である戦車上部へのトップアタックを想定したアクティブ防護(散弾などを放つ)を用いたものです。 ほかにも、脅威を早期発見する警報システム、急速展開用の煙幕弾、対地雷防護

    ゲームチェンジャー?ドイツの新型戦車「KF51パンター」
  • 自衛隊の兵站を支える73式大型トラックのすばらしさ

    73式大型トラックはテレビCMで有名な「いすゞ自動車」が造り、3.5トンの標準搭載量を持つ大型車両です。 隊員からも「3トン半」と呼ばれるなか、路上走行では搭載量を6トンまで増やせるうえ、時速100kmの速さを発揮します。 その荷台に隊員を乗せながら、演習場や災害派遣先に向かう姿はよく見られており、陸自隊員ならば一度は乗ったことのある車両です。 ただし、ほろに覆われた荷台は暑さ・寒さの影響を受けやすく、決して「快適」とはいえません。 余談ですが、この陸自版・いすゞのトラックは道路交通法では「中型自動車」に分類されるものの、運転するには「自衛隊車両限定」の大型免許が必要です。、輸送科への配属後に自衛隊内の教習所で専用コースを受講しなければなりません。 ひとまわり小さい73式中型トラック ほかにも、日野自動車とトヨタが共同開発した73式「中型」トラックというのがあります。通称「1トン半」で知ら

    自衛隊の兵站を支える73式大型トラックのすばらしさ
  • 戦後初の国産戦闘機、F-1の評価について

    1977年から配備が始まったF-1戦闘機は、同時期に航空自衛隊で運用されていたF-4戦闘機と比べてひとまわり小さく、対地攻撃も想定して機体は迷彩塗装が施されました。 細長い見た目は英仏が運用していた「ジャギュア攻撃機」と似ていますが、これは単なる偶然であって、性能や設計は全く異なります。 練習機をベースにしたおかげで飛行性能や整備性はよく、その信頼性は機体トラブルが原因の墜落事故を起こしたことがないほどです。 また、F-1戦闘機は当初から防空以外の任務にも使う予定でしたが、国産の80式空対艦ミサイルを搭載できる唯一の機体であったため、対艦攻撃には特に欠かせない存在でした。 対地攻撃についても、当時としては高精度な爆撃コンピューターを装備しており、無誘導爆弾でも高い命中率を叩き出せたそうです。 機動性と航続距離が弱点 一方、超音速を追求して主翼を小さくした結果、燃料タンクを主翼内に格納できず

    戦後初の国産戦闘機、F-1の評価について
  • 最強or弱い?レオパルト2戦車の人気ぶりとその性能

    1979年から配備が始まったレオパルト2戦車ですが、105mmライフル砲が主流のなかで120mm滑腔砲を搭載したり、他国に先駆けて複合装甲を採用するなど、当時の最先端を歩みました。また、車体は50トン超えの重さながらも、強力なエンジンによって異例の高機動力を獲得しました。 また、レーザー測定と赤外線暗視機能を使った照準システムは高精度を誇り、高性能な安定装置のおかげで、起伏の激しい地形を走りながらの目標捕捉が可能です。 一方、防御面ではセラミックスとチタンの複合装甲を持ち、その防護性能はレオパルト1と比べて格段によくなりました。同時期の戦車と比べても、設計思想的には日の74式戦車のような曲線・傾斜を用いた避弾経始ではなく、直面を多く取り入れた構造になっています。 これは砲弾技術の進化によって避弾経始が通用しづらくなったからですが、のちに他の西側戦車も追随した事実を考えると、レオパルト2は

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  • なぜ必要?陸上自衛隊のLR-2連絡偵察機の役割とは

    LR-2は「ハヤブサ」という愛称、「ロメオ」というコールサインを持ち、アメリカ製のビジネス機を改造した連絡偵察機です。LR-1の後継として1999年から計8機が導入されたものの、2017年に事故で1機を失い、残る7機は木更津の第1ヘリコプター団に配備されています。 そもそも、連絡機とは駐屯地間で人員・物資を運ぶ機体ですが、通信技術と交通網が発達した現代は必要性が低く、LR-1も急患輸送に投入されるケースが多いです。 しかし、CH-47J輸送ヘリより速く、全天候型で航続距離も長いことから、遠隔地の交代要員や視察に向かう「偉い人たち」の輸送には適しています。 カメラなどの偵察機材も搭載できるとはいえ、武装や自衛機能はなく、ドローンが活躍するなかで、わざわざ偵察任務に使う理由はありません。 あえて活用の余地をあげるならば、大規模災害における上空からの状況把握ぐらいでしょうか。 将来的には消える運

    なぜ必要?陸上自衛隊のLR-2連絡偵察機の役割とは
  • 撃墜事件も?成層圏まで飛べる「U-2」高高度偵察機とは

    U-2は秘密に包まれたソ連領奥地を偵察するために作られた機体ですが、面白いことにその開発資金はアメリカ軍ではなく中央情報局(CIA)が出しました。 最大の特徴は高度2万メートル以上の成層圏まで飛行できる点で、これは旅客機の2倍に相当するだけでなく、当時のソ連戦闘機では到達できない高さでした。 ところが、空気が薄い成層圏で揚力を発生させるには、通常とは違う特殊設計が求められます。その結果、U-2は細い機体でありながら、その両翼は30m以上もの長さになりました。 この設計によって成層圏飛行は実現したものの、高高度飛行時における最高速度と失速速度の差はわずか18km/hしかなく、操縦の難しさは世界一とも言われています。 さらに、高高度飛行を目指した軽量化が図られており、高性能カメラなどの偵察用機材を除けば、必要最低限のものしか載せていません。 この徹底した軽量化と長い翼のせいで、着陸時は機体が浮

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