厚生労働省は6日、精神保健指定医の資格の不正取得に関わったとして、医師34人の行政処分を決めた。同日の医道審議会医道分科会に34人の審議を諮問し、答申を受けて処分内容を決めた。処分は20日に発効する。資格申請時に提出した不正なリポートに署名した指導医や、リポートを提出した医師が対象。17人が業務停止1
◆著者・中村江里(なかむら・えり)さん (吉川弘文館・4968円) 闇に埋もれた「傷」掘り起こす 第二次世界大戦では、推計で日本人310万人が死んだ。命は取り留めたものの心に傷を負った人も相当数に上るはずだ。しかしその傷、病のありように光を当てる体系的な研究はなかった。本書は、歴史学研究に新たな画期をしるす労作だ。 最初に兵士の心の傷に関心を持ったのは高校生のころ。リポートでベトナム戦争について調べた。「そのとき見た写真集で、(米軍の)兵士の側も心に傷をのこすんだなあ」と印象に残った。折しも従軍慰安婦など「戦争が人間に及ぼす長期的な影響にぼんやり関心を持っていました」。上智大学に進み西洋史を学ぶ中、アウシュビッツの生還者が抱えていた傷を知った。阪神淡路大震災の影響もあって、日本でもトラウマに関する研究に注目…
沖縄県の子どもの貧困問題改善に向けて、シングルマザー支援のための「結転生(ゆいまーる)基金」を琉球大学が創設した。母親の雇用を創出することで、「貧困の連鎖」からの脱出を支援していく。 同県は母子のみの世帯率が3.06%と全国で最も高く、母子家庭の74.8%(全国平均64.0%)が200万円未満の年間就労収入で暮らす。非正規雇用の従業員比率が全国1位(44.5%)という厳しい環境が教育格差を生み、29.9%という全国一の子どもの貧困率につながっている。 地元の人材育成を担う教育機関として同大は2月15日に「結転生基金」を設立し、一般から寄付の募集を始めた。基金を活用し、4月からシングルマザー2人を有期雇用(5年間)の非常勤職員として採用することを目指している。 「広く浅く継続的」な協力を呼びかけ、600万~1000万円を目標額とする。「結(ゆい)が連綿として転生(まーる)していく」という基金
神奈川県茅ヶ崎市立小学校4年の男子児童(10)がいじめが原因で不登校になっている問題で、同市教育委員会が今月2日付で担任だった女性教諭に文書訓告、当時の校長を厳重注意としていたことが、関係者への取材で分かった。 第三者委員会の報告書などによると、女性教諭はいじめを遊びの延長程度に考え、見て見ぬふりをするなど十分な対応をしなかった。また、問題を速やかに管理職らに報告しなかったほか、保護者に対しては学級経営がうまくいっていると見せたいとの思いからウソをつくこともあったと指摘。 校長に関しては、管理職として女性教諭の情報を十分に把握していなかったことや市教委への報告・相談が遅れたこと、男子児童や保護者からの訴えに対して配慮のない発言で不信感を募らせたなどと記している。 今回の問題に対する処分について、服部信明市長は16日の定例記者会見で、「今後の対応」と答えていた。市教委幹部はこの場で公表しなか
同性愛者や心と体の性が一致しない人など性的少数者(LGBT)への理解を広げようと、学校現場で模索が続いている。性の悩みを抱え保健室を訪れる子どもの姿や、当事者を招いた授業の取り組みなどが、3~5日に新潟県であった日本教職員組合の教育研究全国集会で紹介された。 昼休みに保健室によく来ていた高校1年の男子が、ある日突然言った。「僕、いつか女の子になりたいんです」――。 新潟県で養護教諭をしている30代女性は、これまでに勤務した中学や高校の保健室で出会った「性」に悩む生徒たちの姿を報告した。「学校現場ではLGBTの認知や理解はまだまだ進んでいない。具体的な事例を知ってもらうことで、身近な生徒の悩みに気づくきっかけになれば」との思いからだ。 「女の子になりたい」と話した…
大学の非常勤講師の間で、雇用契約を結んでもらえず、身分が不安定なことに不満が広がっている。教育の質への影響を懸念する声もある。 東京芸術大の非常勤講師、川嶋均さん(55)は昨年12月、「大学が雇用契約を結ばないのは不当」などとして、首都圏大学非常勤講師組合を通じて東京都労働委員会へ救済を申し立てた。 同組合によると、川嶋さんは個人事業主として大学と業務委託契約を結び、計10年以上、東京芸大でドイツ語を教えてきた。担当する授業は週2コマ。単位を認定する権限は与えられていたが、使う教科書や授業の進度、テストの採点基準、成績の付け方については大学から指示を受け、それに従ってきたという。 昨年10月、世代交代を理由に大学から突然、授業数を週1コマに減らすと告げられた。納得がいかない川嶋さんは授業数削減の撤回と、自身が大学と雇用関係にあることの確認を求め、大学に団体交渉を申し出た。大学は川嶋さんとの
どの医師にとっても、医学研究者として名を上げるのは難しいことだ。研究費を確保するための競争は激しく、権威のある医学雑誌に論文を掲載してもらうことは、途方もなく難しい。 この分野でキャリアを積もうとする女性たちは、より大きな課題に直面する。多くは男性の同僚たちに比べ、家庭で過度に重い負担(育児や家事など)を負っている。一方で、同じように努力の成果を上げてきた男性たちに比べて、有効な指導を受けることができない。 これらに加え、女性たちには性的な嫌がらせという不愉快で恐ろしい負担ものしかかる。ミシガン大学のレシュマ・ジャグシー博士が率いるチームは先ごろ、キャリアの浅い女性医師らが経験するセクハラに関する調査結果を公表した。筆者も参加したこの調査では、科学分野で教育を受け、2006~09年に米国立衛生研究所(NIH)からキャリアアップのための支援を受けることが決まった男女1,000人以上から回答を
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