ピョンチャンパラリンピックが盛況のうちに終わった。今年は民放のテレビ局でも競技の様子や選手についての特集が組まれるなど、人々の関心を持たせる取り組みが目立った。 そんな中、メダル一番乗りとなったのはアルペンスキー女子滑降座位の村岡桃佳選手。“雪上のF1”の異名を持つこの競技では、今年からトヨタ自動車がマシーンの開発に乗り出した。男子チェアスキー座位で5種目全てに参加した森井大輝選手のマシーンがそれである。 以前から村岡、森井両選手のマシーン開発にかかわる株式会社RDS専務取締役でデザイナーの杉原行里氏は「ここ数年、パラスポーツに対する視線が変わってきている」と話す。 もともと、障害者のリハビリとしてはじまったパラスポーツが、競技性を強め、パラリンピックでは純粋に選手自身の身体能力、限界への挑戦を見るものへと昇華しているというのだ。競技用プロダクトの開発は「F1と同じだ」とうたう競技用義足の
クラウドファンディングで資金調達 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者のIT技術者が、身体障害者向けの講演システム「Hearty Presenter(ハーティープレゼンター)」を開発した。画面に表示された文字を見つめてその文字を入力する「視線入力」だけで、マイクロソフトのプレゼンソフト「パワーポイント」を操作してスライドをめくり、音声合成による文章の読み上げもできる。日本語、英語、中国語など多言語に対応した完成版を、インターネットで全世界に無料公開する予定だ。 ALSは、病状の進行により、手足の動作はもちろん、発声や食事も困難になっていく病気で、現代医学でも治療法や原因が解明されておらず、国が難病に指定している。最終的に呼吸もできなくなることが多く、その場合は人工呼吸器をつけないと死に至る。
政府は30日、障害者の自立や社会参加を支援する様々な施策の土台となる2018~22年度の「第4次障害者基本計画」を閣議決定した。20年の東京パラリンピックを機に、施設やサービス、情報、制度などあらゆる面で「アクセシビリティー」(利用のしやすさ)を高めることなどが柱だ。 アクセシビリティーの向上策では、1日の利用客が平均3千人以上の駅や空港など旅客施設のバリアフリー化率(段差解消)を16年度の87%から20年度に約100%に、ノンステップバスの導入率を53%から約70%に高める目標を掲げた。 また地域ごとに自治体や医療機関、PTAなど関係機関が連携する「障害者差別解消支援地域協議会」の組織率を、市町村(政令指定都市など除く)で17年4月時点の38%から22年度に70%以上へ高めることを目指すとした。障害を理由とした差別などを禁じた障害者差別解消法(16年施行)の実効性の確保を狙う。(生田大介
各地で異なる手話の「方言」を動画で集め、都道府県ごとにデータベース化するプロジェクトが進んでいる。100の単語を選び、地域や世代ごとの手話表現をインターネット上で公開。地域で発展した手話を記録して後世に残すとともに、通訳者の養成現場などでの活用も目指す。 「日本手話話し言葉コーパスプロジェクト」として2012年に始まった。「コーパス」は言語情報を大規模に集めた全集を指す。取り組むのは、生まれつき耳の聞こえない大杉豊・筑波技術大教授(手話言語学)を中心とするチームだ。 各地の聴覚障害者協会などに呼びかけ、日常生活でよく使う単語を、ろう者に手話で表現してもらっている。例えば「タマネギ」の場合、地域によって形で表す人と切った際に涙が出る仕草をする人などがおり、年代別でも表現は異なる。また、「地域自慢」や「カレーの作り方」といったテーマごとの対話も手話で集めている。
パナソニックが「IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ 2018」で、パラスポーツ観戦ソリューションと情報配信サービスの実証実験を実施 パナソニックグループ(パナソニック株式会社、パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社、パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社、以下、パナソニック)は、2018年3月21日(水・祝)~25日(日)に東京・品川区立天王洲公園で開催される「IBSA(※1) ブラインドサッカーワールドグランプリ 2018」において、(1)多視点映像で観戦を楽しめる「スポーツ観戦ソリューション」と、(2)配電地上機器(※2)を活用した情報配信サービスの実証実験を実施します。 ※1 国際視覚障害者スポーツ連盟 ※2 電線網の地中化に伴って、電柱に設置した変圧器や開閉器を地上のボックスに納めた電気設備 「IBSA ブラインドサッカーワールドグランプリ
「目でも指でも読める文字」を、デザイナーのKosuke Takahashi(@ootori_t)さんがTwitterで公開しました。点字の点から線を引き、墨字(すみじ、点字に対して「書かれた文字」)としてデザインしたもの。目で見ても指でなぞっても読める、画期的なアイデアだと注目を集めています。 点字に墨字を重ねて「Braille Neue」(新たな点字)に 目でも指でも読めます 作成されたのはカタカナと数字、大文字のアルファベット。点字として読める例文も試作されています。投稿主は「点字を学ぶ機会や触れるきっかけになれば」とコメントしています。 点字の点から線を延ばして文字を書くイメージ ツイートには「スタイリッシュなユニバーサルデザイン」「福祉の現場に広まってほしい」「点字を覚えるうえでも有用」など好評のリプライが。ディスレクシア(難読症)でも読みやすいという声もありました。 その一方で、
加藤厚労相、手話交え答弁=参院予算委 参院予算委員会で答弁する加藤勝信厚生労働相=5日午後、国会内 加藤勝信厚生労働相が5日の参院予算委員会で、手話を交えながら「障害のある人々の支援をしっかり頑張ってまいりたい」と答弁する場面があった。障害者の雇用問題をめぐり無所属クラブの薬師寺道代氏が手話を使って質問したのに呼応したもので、場内からどよめきと拍手が起こった。 加藤氏は、能力や障害特性に応じた人員配置、勤務環境整備などの施策を進めていると説明した後、結びの決意表明で手話を使った。質問で手話を用いることの多い薬師寺氏は「障害者の皆さまにとって力強いメッセージとなった」と評価した。(2018/03/05-18:45) 【経済記事一覧へ】 【アクセスランキング】
東京マラソンの車いすの部男子で1位ゴールする山本浩之。右は2位の鈴木朋樹=25日、東京都千代田区(撮影・今野顕) 2020年東京五輪・パラリンピックを2年後に控え東京が目指すバリアフリーな社会。東京マラソンは理想像の実現に向け取り組んできた経緯がある。 賛同する事業に寄付をすることで、東京マラソンに参加するチャリティーランナー。チャリティーランナーを通じて行うサポーターの寄付も含め平成23年の創設以来、年々広がり、昨年は約3億1300万円を集めた。うち2千万円あまりが日本障がい者スポーツ協会に渡り、パラスポーツ普及に使われたほか、スペシャルオリンピックス日本の活動にも約2600万円が生かされている。今大会でもすでに過去最高の約4億円以上が集まった。 東京マラソンの障害者ボランティアは初の試みとなった28年大会で約10人が参加。車いすランナーを同様の障害を持つボランティアが誘導するなどしてき
早稲田大の体育各部に所属する学生が、日本点字図書館(東京都新宿区高田馬場1)でボランティア活動を行っている。同大競技スポーツセンターによる教育プログラムと修学支援を軸として人格形成を図る「早稲田アスリートプログラム(WAP)」の一環で、毎週水曜の午前と午後に有志の学生が2人ずつ参加している。 学生たちは、同館が郵送で使う封筒に点字を打ち込んだり、用具に点字シールを貼ったりするなどの活動をしている。同大文化構想学部3年で、ラクロス部に所属する麓安都美(ふもと・あづみ)さん(21)は3年生になってからこの活動に参加し始めた。「今まで困っていそうな人を見てもどうしていいか戸惑ってしまったが、ボランティアを経験したことで意識が変わった」と話す。土生(はぶ)りささん(21)は「障害を持つ人をより身近に感じた。ハードルが高いというボランティアのイメージを変えていきたい」と語った。 WAPは44ある同大
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