鹿児島県奄美市にある国立ハンセン病療養所で、この療養所の最後の語り部として活動してきた95歳の男性が、亡くなりました。語り部として活動する人がいなくなったのは、全国の療養所で初めてで、当事者の体験をどう語り継ぐかが課題になっています。 全国に13ある国立ハンセン病療養所にNHKが取材したところ、語り部として活動する人がいなくなったのは、奄美和光園が初めてです。 奄美和光園では、これまでに撮影した語り部の映像などを使って、体験を語り継いでいきたいとしています。 全国の国立ハンセン病療養所の入所者の平均年齢は、先月末の時点で84.7歳と高齢化が進んでいて、当事者の体験をどう語り継ぐかが課題になっています。 奄美和光園の加納達雄園長は、「私たちは、ハンセン病の歴史について話すことはできますが、実体験を語れるのは、当事者の入所者だけです。その声をなんとか残し、後世に伝えていく努力を続けていきたいで