かつてお金がなくなって、身の回りの物を手当たり次第に売り払った時の苦しさ、焦燥感、孤独感を思い出した。 なんでも売った。タブレット、衣類、書籍、ゲーム。とにかく、あらゆるものを金に換えた。とにかく焦る。このままでは、払うべきものも払えなくなる。やばい。挙句の果てには職場の同僚から、使わなくなった古いゲーム機本体をいただき、それも売りに出したことがある。同僚はそれを聞いてケラケラと笑ってくれたから救われた。 今年も車検がくるので出費が多く、このままでは困窮することが予想されるので、個人年金の積み立てからお金を借りることに決めた。そうしたら、心の中の不安がスっと消えていくのがわかる。 食うに困ったことはない。いざとなれば、親に頼み込んで飯を食わせてもらえばいいのだから。しかし、世の中には、日々食うことにすら困窮する人は万単位で存在しているらしい。お金がないことでこれだけの苦しさを味わうのに、食