第32回猿橋賞を受賞した阿部彩子・東京大学大気海洋研究所准教授=東京都千代田区で2012年5月7日午後2時51分、猪飼健史撮影 自然科学分野で優れた業績を上げた女性研究者に贈られる第32回猿橋賞に、東京大大気海洋研究所の阿部彩子准教授(49)が選ばれた。「女性科学者に明るい未来をの会」(米沢富美子会長)が7日発表した。 受賞テーマは「過去から将来の気候と氷床の変動メカニズムの研究」。地球の気候変動を解析し、温暖化予測に生かすため、10万年サイクルで固化と融解を繰り返す極域の陸地を覆う氷の塊「氷床」の変動を、数値計算で再現することに世界で初めて成功した。 阿部さんは東京都出身。東大理学部を卒業後、スイス連邦工科大で理学博士号を取得。東大気候システム研究センター助手を経て、04年から現職。【鳥井真平】