新年度が始まり、子どもの行動範囲が広がる時期を迎える。保護者にとっては、子どもの成長を実感できる一方、犯罪に巻き込まれないかと心配になる季節である。親としてできる対策は何か、考えてみたい。 防犯ブザーで防げる犯罪は、全体の2割?保護者として、まず思いつく対策は、防犯ブザーを持たせることのようだ。 例えば、内閣府が行った「子どもの防犯に関する世論調査」(2006年)でも、「子どもの防犯のために効果的な取り組み」として、回答者の43%が「防犯ブザーなどの防犯グッズを持たせること」を挙げている。この割合は、52%の「防犯パトロールなどの活動」、46%の「近所の人たちとの情報交換」に次ぐ数字である。 もちろん、防犯ブザーは持たせないよりも持たせた方がいい。しかし、防犯ブザーには大きな限界があることも忘れてはならない。なぜなら、犯罪者にだまされてついていく子どもは、防犯ブザーを鳴らそうとは思わないか