日産自動車が2007年3月期連結業績見通しを下方修正した。営業利益は当初予想の8800億円を大きく下回る7750億円と、前年比でも11.1%減となる。トヨタ自動車、ホンダが実質的な増益基調をたどる中、カルロス・ゴーン社長が指揮を執って以来初めての減益となる日産の変調。その兆しは、1月中旬のある出来事に見えていた。 派遣技術者に残業自粛要請 「残業は自粛してください」――。 日産社内では1月中旬、派遣の技術者にこんな通知が出された。開発部隊では外部の派遣技術者を導入しており、日産では多い部署で2~3割を占めるという。ある技術者は語る。 「派遣技術者は質、量ともに正社員と同様に働いている。月40時間ほどあった残業がなくなる影響は大きい」。そのしわ寄せは当然、正社員に来る。日産は2007年度に世界で11車種を投入する予定で、本来は多忙な時期。そんな時期のコストカットを目的とした残業自粛要請は、今