<来日していた元大統領首席戦略官のバノンに取材をし、なぜ彼が嫌われ者なのかを考えてみた――> 政治経験のないリアリティーテレビのスターが初めて挑戦した選挙で大統領になった。そんなシンデレラストーリーの主人公がドナルド・トランプなら、変身させたフェアリー・ゴッドマザーはスティーブ「ビビディ・バビディ」バノンだろう。 ウォール街やハリウッドで莫大な財を成した後、「ブライトバート」をright wing(右翼)ニュースサイトの最大手に育てたスティーブ・バノンは、選挙まで残り三カ月のところでカオス状態に陥っていたトランプの選対本部を導き、奇跡の逆転勝利劇を演出した。そして、トランプが大統領に就任してから1年半、バノンはブレーンとして常にそばにいた。ずっとトランプの頭の中にいた、と言う人もいる。陰から操っていた、と言う人もいる。 満月の夜に狼に化けて、幼稚園児の血を吸って生きている――と、さすがにそ