植田東大教授のエントリーに関連し、知り合いの霞ヶ関某氏から反響メールを頂いた。その中で「日銀は必ずしも『第二の柱』で利上げしているわけではないと受け止めている」との感想があった。この点について、この機会に改めて解説を試みたいと思う。 日銀は霞ヶ関某氏が指摘するように、「第二の柱」を主軸に利上げしているわけではない。基本的には、向こう2年間の経済・物価見通し(第一の柱)に基づいて金融政策の舵を取っている。「第二の柱」は、2年よりも長いスパンにおけるリスク分析であり、利上げの理由としては極めて小さな位置付け、というわけだ。 では、なぜ「第二の柱」が焦点になるのか。一つには、マスコミの報道(特にヘッドライン)を通じた印象が大きいように思う。一般的にマスコミはなるべく分かりやすい理由付けを行う。不特定多数(経済に興味がない読者も含む)を相手に記事を作成する場合、第一とか第二とかといった組み立ては複