伊能忠敬が完成させた「大日本沿海輿地(よち)全図」より数十年も前に正確な日本地図を作製した人物がいた。その地図はおよそ1世紀もの間、日本中で使われ、海外にも広まっていたという。しかも、そのきっかけを作ったのが、日本に初めてやってきたフリーメーソンだったのだ。 独学で日本地図を完成させた長久保赤水 江戸時代に作られたこの日本地図を見て、「あ、この地図なら知っている。伊能忠敬が全国を歩きながら実測して作った伊能地図でしょ」と思われた方も多いのではないだろうか? だが、これは伊能忠敬が作った地図ではない。伊能忠敬が彼の地図を完成させる半世紀近く前、正確にいえば42年も前に、農民出身の独学の地理学者が、たったひとりで、全国を測量することもないまま作り上げた日本地図なのである。 長久保赤水(せきすい)が作った「改正日本輿地路程全図(かいせいにほんよちろていぜんず)」(高萩市教育委員会提供)。 その男