「手放せないくらいかわいい子やのに。戻れるものなら帰ってきて」。京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件で、安否の分からない同社社員の大野萌(めぐむ)さん(21)=京都府木津川市=を案じる祖父母の岡田和夫さん(69)と一二美(ひふみ)さん(65)が20日、取材に応じ、胸の内を語った。 一二美さんは、事件の5日前に萌さんと一緒に買い物を楽しんだばかり。萌さんは「ばあちゃんにも買ってあげる」と髪飾りを選んでくれたという。封を切っていない品を手に、「まだ、着けた姿を見てもらっていない」。言葉が続かなかった。 萌さんは、幼い頃から絵を描くのが大好きだった。2人の家を訪れるとファクスの裏紙に描き、一緒に外食したレストランではアンケート用紙に筆を走らせた。 家には、萌さんとの思い出が詰まった物が数多くある。足をけがした一二美さんが歩きやすいようにと、小学生だった萌さんが、かかとの