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プルードン 所有の検索結果1 - 9 件 / 9件

  • 連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回|本がひらく

    政治思想史家の重田園江さんによる好評連載「アナキスト思想家列伝」第8回! あらためて注目が集まっているアナキズム思想の現代的可能性をビシバシと伝えていく連載です。今回は3人目として日本の現役の思想家を取り上げる待望の回「ねこと森政稔」の前半です! ※これまでの各シリーズは下記よりお読みいただけます。 「序 私はいかにして心配するのをやめ、アナキストについて書くことにしたか」へ 「ジェイン・ジェイコブズ編」の第1回へ 「ヴァンダナ・シヴァ編」の第1回へ 駒場のねこたち 去年の秋のことだ。ミネルヴァ書房から本が送られてきた。送り主は森政稔。あれ、本を出すなんて聞いてないけど、と包みをビリビリ破ると、中から『猫と東大。』なる本が出てきた。「あっ、すごい」。表紙はおそらく、あとで森政稔との2ショット写真を載せるミレちゃん(現在推定14歳)だ。 この本には、ねこ好きやねこ飼いの東大の先生たちが出てき

      連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第1回|本がひらく
    • ルソー『人間不平等起源論』を読む - 関内関外日記

      人間不平等起源論 (光文社古典新訳文庫) 作者:ジャン=ジャック ルソー 発売日: 2008/08/07 メディア: 文庫 所有という観念の発生 ある広さの土地に囲いを作って、これはわたしのものだと宣言することを思いつき、それを信じてしまうほど素朴な人々をみいだした最初の人こそ、市民社会を創設した人なのである。 おれはこの一節、どこかべつのほんで引用されていたこの箇所を確かめたいがためにこの本を読んだ。この一節はこう続く。 そのときに、杭を引き抜き、溝を埋め、同胞たちに「この詐欺師の言うことに耳を貸すな。果実はみんなのものだし、土地は誰のものでもないそれを忘れたら、お前たちの身の破滅だ」と叫ぶ人がいたとしたら、人類はどれほど多くの犯罪、戦争、殺戮を免れることができただろう。どれほど多くの惨事と災厄を免れることができただろう。 そのとき、「叫ぶ人」はいなかった。人類は悲惨になった。 しかし一

        ルソー『人間不平等起源論』を読む - 関内関外日記
      • [寄稿]日本の“韓国蔑視”の根源

        日本の東京湾に停泊した米国艦艇ミズーリ号の甲板で行われた降伏調印式(1945年9月2日)=米国 National Archives II所蔵//ハンギョレ新聞社 日本は「大東亜戦争」を始めた理由が、西洋帝国からアジア民衆を解放して繁栄を成し遂げるためだったと宣伝した。日本を占領した米軍は、大東亜戦争という名称を直ちに禁止して「太平洋戦争」に言い換えた。しかしこの戦争の性格や戦闘が起きた地域、参加人員の側面を見ると、この戦争は大東亜戦争でも太平洋戦争でもない「アジア太平洋戦争」だった。 日本人は戦争に敗れたが、これを「敗戦」とはしなかった。連合軍の将軍たちが並んだミズーリ号の船上で執り行われた天皇と日本陸海軍の降伏は、数十年間持続した日本帝国の敗亡を伝える事件だったが、日本人は単に戦争が終わったという意味の「終戦」と言った。負けたということを受け入れられず、戦争を直視できなかった日本社会は今

          [寄稿]日本の“韓国蔑視”の根源
        • 「現代の闇」を予言したマルクスとケインズの慧眼

          それでもケインズは、やはり人間の本性というのは、人類誕生以来、働け、働けと習慣化されているので、急には実現できないが、週15時間働けば大丈夫と試算しているんですね。ゼロ金利になって、新規の投資を行わなくてもよくなれば、週15時間労働で十分必要なものが提供できる。あとは自由時間を満喫できると言っています。 ケインズの慧眼は、1930年の論文で、100年後の2030年にはゼロ金利になると予想しているんですよ。 木村:そうですか。100年も前にね。そうすると、2000年代の前半にゼロ金利になった日本はかなり先取りしているわけですね。 水野:日本とドイツとフランスが先取りして、ゼロ金利になりました。しかし、今の日本は、依然として働け、働けですよね。 木村:自由になった時間を満喫して高度な文化活動に使おうなんて、まったくないですね。むしろ、ゼロ金利になって、グローバリゼーションの進展とともに中間層が

            「現代の闇」を予言したマルクスとケインズの慧眼
          • 『未来のプルードン 資本主義もマルクス主義も超えて』(的場昭弘)を読む - 関内関外日記

            未来のプルードン——資本主義もマルクス主義も超えて 作者:的場 昭弘 亜紀書房 Amazon プルードン、クロポトキン、バクーニンあたりとなると、おれにとってのアナーキズムとの出会いであって、なにかの根底のようなところがある。とはいえ、おれは優雅で感傷的な日本アナーキストたちが好きであって、どうにもそちらはおろそかになっているところがある。 ということで、この本を手にとってみた。装丁もなにやらパンキッシュやし、栗原康みたいなのか? と、思ったら、そうではなかった。マルクス学者である著者が、マルクスのライバルとしてのプルードンを書いたものであった。いや、プルードン側に立って書いたものである。 というわけで、いくらかメモしておく。 まず、マルクスがプルードンを仲間に引きれようとしたときの、プルードンの返答。 しかし、それに対するプルードンの返信では、マルクスたちのグループの独善主義と党派主義が

              『未来のプルードン 資本主義もマルクス主義も超えて』(的場昭弘)を読む - 関内関外日記
            • アナキズムとは?思想の変遷やアナキストの共同体を簡単解説

              「アナキズム」とは無政府主義を掲げる思想のひとつで、無支配・無権力という意味を持つギリシャ語のアナルコス(α’ναρχο)に由来します。 一見難しそうな言葉ですが、権力者の支配が無くなればみんなが自由に暮らせて幸せだよね!という思想がアナキズムであり、その思想を持つ人をアナキストと呼びます。 今回は アナキズムの定義 アナキストの歴史 日本におけるアナキズム についてわかりやすくご紹介します。 1、アナキズムとは アナキズムとは「国家のような支配権力は有害であり、何にも縛られない個人の自由が最も尊い」と考える思想です。 この思想は無政府主義とも呼ばれ、ルールのない無秩序な世界には過激で、反社会的なものを連想する人も多いかもしれません。 確かに過激な思想を持つ方もいるかもしれませんが、支配がなくてもみんなで社会は作れるという平和的な思想を持つアナキストもいます。 アナキストは、大きく「個人主

                アナキズムとは?思想の変遷やアナキストの共同体を簡単解説
              • 連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第2回|本がひらく

                政治思想史家の重田園江さんによる好評連載「アナキスト思想家列伝」第9回! いま大注目のアナキズム思想とはいったいどんなものか? そして現代的な可能性はあるのか? こうした疑問に答えながらアナキズムの新しい魅力をビシバシと伝えていく連載です。今回は3人目にして日本の現役の思想家を取り上げた話題の回「ねこと森政稔」の後半です! ※「ねこと森政稔」の前半を読む方はこちらです。 ※これまでの各シリーズは下記よりお読みいただけます。 「序 私はいかにして心配するのをやめ、アナキストについて書くことにしたか」へ 「ジェイン・ジェイコブズ編」の第1回へ 「ヴァンダナ・シヴァ編」の第1回へ 破壊しないアナキズム 森政稔の研究のもう一つの重要性は、私たちがアナキズムに対して抱くイメージ、そしてそれを覆すことに関わる。すでにロックのところで引用したが、アナキズムの歴史とその描き方によって作られてきたイメージを

                  連載 シン・アナキズム 「ねこと森政稔」第2回|本がひらく
                • アナキズムを読む 〈自由〉を生きるためのブックガイド | 皓星社(こうせいしゃ) 図書出版とデータベース

                  序章 今、なぜ、アナキズムなのか 田中ひかる 1 アナキズムへの招待 〜自由な生に誘う言葉たち 鶴見俊輔「方法としてのアナキズム」 那須耕介 戸田三三冬『平和学と歴史学――アナキズムの可能性』 田中ひかる 金子光晴『絶望の精神史』 金子 遊 ルース・キンナ『アナキズムの歴史――支配に抗する思想と運動』 田中ひかる レベッカ・ソルニット『定本 災害ユートピア』 山本明代 緒方正人『チッソは私であった――水俣病の思想』 田中ひかる シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』 山本明代 2 極私的アナキズム入門 〜もう一つの生き方を探る 石牟礼道子『完本 春の城』 姜 信子 中村きい子『女と刀』 斎藤真理子 辻潤『絶望の書 ですぺら』 金子 遊 伊藤洋志『ナリワイをつくる――人生を盗まれない働き方』 寺尾紗穂 竹中労+かわぐちかいじ『黒旗水滸伝――大正地獄篇』 東 琢磨 赤瀬川原平『東京ミキサー計

                    アナキズムを読む 〈自由〉を生きるためのブックガイド | 皓星社(こうせいしゃ) 図書出版とデータベース
                  • 交換様式Dと周辺地域、そして反復強迫:柄谷行人『力と交換様式』へのコメント(前) - 外付脳内そっ閉じメモ

                    柄谷行人『力と交換様式』(岩波書店、2022年)読了。以下は気になった点についてのコメント。 Ⅰ『世界史の構造』からの変更点 まず『世界史の構造』(岩波書店、2010年)から明らかに立場を変更したと思われる点について。 〇上部構造/下部構造図式の再導入 『世界史の構造』では、生産様式から交換様式に視点を移せば、もはや上部構造と下部構造を区別する必要はなくなると述べられていたにもかかわらず、『力と交換様式』ではその区別が再び導入されていた。交換関係そのものと、そこから立ち昇る、当該の交換関係を維持・強化するようにと人々を呪縛する観念的・霊的力とを識別する必要が新たに生じたからだ。しかし、各交換様式からどのように人々を呪縛する観念的な力が立ち昇ってくるのか、その機序については最後までよくわからなかった。また交換様式Dに関しては、それ特有の交換様式と、呪縛する力とが同時に到来する以上、わざわざそ

                      交換様式Dと周辺地域、そして反復強迫:柄谷行人『力と交換様式』へのコメント(前) - 外付脳内そっ閉じメモ
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