■医師のDNA 「医者になろう」―。 自然に出てきた。これまで一度だけ医学の道を目指したことはあったが、その後は野球一筋に生きていこうと思っていたから、ついぞそんなことは考えもしなかった。 しかし、野球の道が終わったと思ったとき、この考えが頭をもたげたのは当然といえば当然なのかもしれない。 (写真提供:K) 横浜DeNAベイスターズ・寺田光輝投手。 いや、今はもう“元”横浜DeNAベイスターズ・寺田光輝氏というべきか。 2017年、石川ミリオンスターズからドラフト6位で入団した。1年目にヘルニアの手術をし、2年目の今季は試行錯誤してきたフォームが固まってきた夏場から、ようやく調子が上がってきた。スタイルも確立できはじめていた。 しかしプロの世界は非情だ。10月に戦力外を通告された。たった2年で、だ。 「やっぱりか、と。(調子が上がるのが)遅かった。年齢とか立場とか考えたら妥当だと思う」。