パレスチナ自治区ガザ地区で激しい戦闘が続く中、「封鎖」されたガザから脱出しようと、現地の住民がインスタグラムなどのSNS(ネット交流サービス)で世界中の人にメッセージを送るなどして、寄付を募っている。「通行料」をブローカーに支払えば、隣国エジプトに入国できる可能性があるからだ。日本でも助けを求められた人々が協力し、脱出を実現させている。市民の間で、一体どのようなやり取りが行われているのか。 「私はガザ出身です。エジプトに避難したいから、お金をください」。4月11日、埼玉県在住の自営業、小林美咲さん(31)は、インスタグラムで英語のメッセージを受け取った。「ついに自分にもきたか」。驚きはなかった。 昨年10月のイスラム組織ハマスによる越境攻撃以降、ガザはイスラエル軍の空爆などを受け、3万6000人以上の市民が死亡している。電気や水の供給がほぼ停止され、市民は「封鎖」下で、飢えや死の恐怖に苦し