新型コロナウイルスの感染拡大が始まってからすでに1年。人々の生活様式は激変し、さまざまな立場の人が苦境に立たされています。エンタテインメント業界もそのひとつで、娯楽であると同時に人から人へと伝承されてゆく中で技術が磨かれ、作品世界を豊かなものにして来た歌舞伎も例外ではありません。 日々、移ろいゆく状況や価値観の多様化に皆が戸惑い翻弄される状況下にあって、歌舞伎の未来を担う若手歌舞伎俳優のみなさんは、この事態とどのように向き合い日々の舞台に臨まれているのでしょうか。 歌舞伎座「二月大歌舞伎」で『泥棒と若殿』にご出演の坂東巳之助さんにリモート取材でお話を伺いました。 意外にも“舞台に立ちたい”とは思わなかった自粛期間 2018年8月新橋演舞場・新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』うずまきナルト=坂東巳之助。©松竹 2020年4月に名古屋で予定されていた新作歌舞伎『NARUTO-ナルト-』が公演