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柴崎友香 書籍の検索結果1 - 14 件 / 14件

  • 削除から考える文芸時評の倫理

    月評の文章が削除される 今年から文藝春秋の文芸誌『文學界』で「新人小説月評」を担当している。純文学世界に精通してない方に少しシステムを説明しておくと、『文學界』編集部がセレクトした新人、具体的には芥川賞をまだとっていない純文学作家の小説を、いいとか悪いとか、評していくという仕事だ。文芸時評自体は、前年に週刊紙『読書人』で一年間担当していたこともあって個人的には去年の勢いのままつづいている感もあるが、原稿料や編集者の姿勢といったこまごました違いがそこそこ興味深い。 さて、そんな月評だが、2月5日発売の『文學界』3月号の拙文の末尾「岸政彦『大阪の西は全部海』(新潮)に関しては、そういうのは川上未映子に任せておけばいいでしょ、と思った。」(p.307)が編集部によって削除されるという事件が発生した。 以下、本誌と削除される前のゲラ状態の末尾部分を添付しておく(左:本誌、右:最終ゲラ)。 検閲とは

      削除から考える文芸時評の倫理
    • 読書週間チャートでわかるおすすめ本特濃タイプ|深緑野分

      Twitterで上げたおすすめ本チャートです。 該当のツイートはこちらです。 https://x.com/fukamidori6/status/1718217293271089575?s=20 #読書週間におすすめしたい本 ということでチャート作ってみたよ!!!5時間くらいかかったよ!!! みんな遊んでみてね!!! 画像なのでALT付けたいんですがチャートを文字数内に入れられなかったので、少し後で読み取れるよう文章化しますね。 https://t.co/r3LHG6RRiu pic.twitter.com/Un0z5JDsFr — 深緑野分 (@fukamidori6) October 28, 2023 画像だと読み取りができないのでこちらにテキスト版を上げますね。(ALTだと文字数が足りなかった……) 分岐は基本的にYES/NOの選択になります。テキスト版なので、一度進んでからいったん戻

        読書週間チャートでわかるおすすめ本特濃タイプ|深緑野分
      • わたしたち後ろめたきもの|本屋の時間|辻山良雄

        先日、歳が二回りほど上で、いまは出版社を経営している男性と酒を飲んだ。幾つかの業種を渡り歩き、バブルの狂騒もその後に続く退却戦も経験している彼の話は金に関することが多く、確かな月日と少なくはない傷を感じさせるものだった。自分の人生を充分に生きていないかもしれないという後ろめたさは、若いころからわたしにつきまとっている一種の脅迫観念のようなものである。へぇ、そうですかと相槌をうちながらも、そうした危うさやある種の欲とは無縁でいた自分が意気地のない人間のようにも感じられ、聞いているあいだはどこか引け目もあった。 ここまでなかよくなったから言いますけど、最初あんたの顔を見たときは、なんて苦労のない、つるんとした顔かと思いましたわ。年長者には物事の本質がよく見えている。そういわれるのは実はそれがはじめてではなく、ある葬儀のあと、遠縁のはじめて会った親戚からも、あんたはなんや幸せそうな顔しとるなと会

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        • 本屋さんを支えたい。 ブックストア・エイド(Bookstore AID)基金 | MOTION GALLERY

          新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言が全国に発令され、出口のみえない外出自粛要請と休業要請の日々の中で、全国の書店・古書店を支援するため、有志で立ち上げたプロジェクトです。 足を踏み入れた先にあるのは、本との思いがけぬ出会い 足を踏み入れた途端、その空間には、別の時間が流れていることを全身で感じます。街の喧騒とははっきり異なる静けさ。視界を埋め尽くすたくさんの本棚。そして、気になった本を手に取ってページに視線を落とす人。後ろ手を組んでじっと本棚を見つめる人。この本が面白かったよと、少し小さな声で話す人たち。一冊一冊、丁寧な手付きで本を棚に並べていく店員。目の前に広がるその光景に、気持ちがふっと穏やかになるのを感じ、やさしく包み込まれるような思いをしたことがある人は、多くいるのではないでしょうか。 百年(東京都) あらゆることについて書かれた本があります。ほろ苦い青春も、目の離せな

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          • 「ショートソング」に魅せられて|本屋の時間|辻山良雄

            いま、短歌にあたらしい波がきている。いや、短歌だけではなく、詩、俳句、川柳といった、短い形式の詩すべてが変革期にあると感じるが、特に短歌ではその傾向が顕著だ。自らの感情を、日記をつけるように歌にして、気軽に発表する人が増えている。それを読むのも、いわゆる〈愛好家〉とは違う、ふつうの人たちだ。 そうはいっても、短歌というものに普段接していない人にとってみれば、あまりピンとこない話かもしれない。参考までに手元にあった歌集から、いま作られている歌をいくつか紹介してみよう。 春だねと言えば名前を呼ばれたと思った犬が近寄ってくる 服部真里子 ファミレスを出たら漫画のような夜 漫画のようにファミレスの光 岡野大嗣 春のパンまつりのシールがキッチンの片隅で二度目の春を知る 島楓果 いずれの歌も、まずはその光景があざやかに広がり、その後その場の空気、そこに流れた時間があとに続く。そしてもう一度、今度は意味

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            • Culture Against Apartheid  アパルトヘイトに抗する文化

              〈Culture Against Apartheid アパルトヘイトに抗する文化〉は、私たちひとりひとりが、パレスチナでの大量虐殺と民族浄化を止める事を早急の課題とし、この問題の根幹にある占領や、アパルトヘイト体制、「日本」をふくむ世界中の、あらゆる抑圧に抗う『文化』を主体的に創造していくことを宣言する声明です。私たちは団体としてではなく、声明に共感する「ちいさな人びと」の意志の集まる場所として、新しい文化を望むすべての人びとの活動のためのネットワークとして存在します。 声明「パレスチナを忘れるな」というのが、エドワード・サイードの最期のことばでした。 パレスチナの未来のために、彼が最期まで重んじたのが、『文化』というものでした。 わたしたちは、Culture Against Apartheid(アパルトヘイトに抗する文化)というチームをつくりました。 わたしたちが、心から追い求めている新

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              • ちくさ正文館と古田一晴さん|本屋の時間|辻山良雄

                毎年、書店の閉店するニュースは定期的に流れてくるが、その中でも今年は、しばし人を感慨にふけさせるような、ひとつの時代の終わりを想起させる話が多い。 具体的に言えば、一月には名古屋の七五書店の閉店があった。三月には東京駅八重洲口の八重洲ブックセンターが閉店し(この店は移転のための一時閉店)、四月は鳥取の定有堂書店、そしてこの七月末には名古屋のちくさ正文館書店本店(以下ちくさ正文館)が、その六十余年の歴史に幕を降ろした。 書店閉店のニュースが流れてくれば、それを惜しむ声、憤慨する声が、毎回決まって聞こえてくる。それを聞くのがあまり好きではないので、そうした話からはなるべく距離を置くようにしているのだが、ちくさ正文館が閉店する少し前に見かけた、店長の古田一晴さんのコメントだけは、思わず身を乗り出して読んだ。それは何というか、閉店直前の店とは思えない、あまりにも古田さんらしいコメントだったからだ。

                  ちくさ正文館と古田一晴さん|本屋の時間|辻山良雄
                • RubyKaigi 2019に行ってきた - the code to rock

                  すでに4ヶ月過ぎてしまいましたが、2019/4/17(水)から4/21(日)まで、RubyKaigi 2019に参加するため福岡に行ってきました。 rubykaigi.org 大事なことなので初めに書きますと、今回の交通・宿泊費および参加費は会社に出してもらいました。またそのうち営業日は業務扱いで、有給も消化せずに参加できました。 そんなヴェルク(株)はRubyを使って受託開発および自社サービス「board(ボード)」の開発・運営を行っています。現在はQAエンジニアを募集中ですので、ご興味おありの方はぜひどうぞ。 RECRUIT | ヴェルク株式会社 ・・と、そんなことを言ってる私は本来開発もRubyもまったく関係ないカスタマーサポート兼社内外ドキュメントの編集者ですが、6年ほど前から趣味でプログラミングをやっていまして(Perlで入門)、当時はフリーランスの編集者でしたが、その頃からYA

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                  • 7000冊の蔵書が、古本屋でたった4万→「自分自身が空っぽ」という感覚に 後悔して買い戻し中「物に救われている人もいる」(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース

                    次第に電子化が進んでいる出版業界。既に紙の本を買わなくなっている人も一定数いるようだが、そんな中SNS上では、本を所有することの意義をうったえる投稿が大きな注目を集めている。 【写真】「高額買い取り」なんてありません!仕立屋が注意喚起 件の投稿の主はブックライター、書籍編集者の堀田孝之さん(@takayukiantao)。 たしかに、本は本棚に入れてあるだけでも人の精神に影響する要素がある。ましてや何度も読み返した本や好きな作家のものであればなおさらだ。手放して初めてわかった本を所有することの意義。堀田さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは 「津波で自宅にある洋服と書棚の本が被害にあったとき、同じものが手に入りにくい洋服(←私は洋服好きである)を処分することにあまり抵抗なかったけれど、比較的同じものが手に入りやすいのに本を捨てなくてはならなかったときにはすごく悲しかった。ほんと本は『自分

                      7000冊の蔵書が、古本屋でたった4万→「自分自身が空っぽ」という感覚に 後悔して買い戻し中「物に救われている人もいる」(まいどなニュース) - Yahoo!ニュース
                    • 二〇二〇年、三月|本屋の時間|辻山良雄

                      朝のうちに届いた荷物を本棚に並べ、シャッターを上げて店を開ける。道路に出てみるともう春の陽気で、今日もよく晴れている。今年は結局、冬らしい冬の日が数えるほどしかなかった。 この少し緩んだ大気のなかに、いったいどれだけの量、ウィルスが混じっているのだろう。いや、それはそもそも花粉とは異なり、大気のなかには含まれないものなのだろうか? いずれにしてもその0から100のあいだにわたしたちはいて、そのどこにいるのか、誰にもはっきりとはわからない。 三月に開催予定だったイベントは、予定していたものも含め6つあったが、そのすべてを中止、可能なものは日を改めて行うことにした。危険の程度がわからないままお客さんと出演者に集まってもらい、無理に予定を進めることがよいとは思わなかった。 郊外にあるからだろうか、いまのところ客足は、そんなに大きくは変わっていない。いや、それでは少し不十分であり、人数としては変わ

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                      • 2024/05/19 文学フリマ東京38 - 角部屋日記

                        午前4時くらいに寝落ち、8時起床。 手続きや調整がてんで駄目な僕の代わりに友人がやってくれた部屋の中でいっちゃんでっかいブツをジモティーで知らん人に引き継げて、部屋に一気に開放感。 そそくさと文学フリマへ。 11時過ぎに会場に付き、開場までの待機列で『あらゆることは今起こる』柴崎友香、医学書院を読み進める。ADHD当事者のテキストや発達障害に関する本はいくつも読んできてが、至上いちばんくらいにすんなり入ってくるし、わかる〜がやゔぁい。 12時きっかりに開場し、目当てを一通り巡る。目当て完了した後はひたすら第1会場内をぐるぐるした。結果3時間弱、ぐるぐるして、予算ギリギリまで気になる書籍・ZINEを購入。 ★購入したやつ〜 クィアやパレスチナ関連のが多め (文フリの場に行けない理由がある人の方が行ける人よりも圧倒的だと思うし、リンク付けているので、店舗/オンライン購入の参考になれば!) 『パ

                          2024/05/19 文学フリマ東京38 - 角部屋日記
                        • なぜNFT?ーSF小説「ピュア」と、2つの異なる未公開英訳版のNFTを同時出品する理由|小野美由紀

                          短編SF小説「ピュア」とその英訳版のNFTをOpenSeaのオークションで入札開始しました。 日本文芸の翻訳家が「食える」ようにすること。 それを通じて、日本文芸・文学と世界の接点を増やすこと。 それがこの世界で初の日本人の商業作家による短編小説NFTの発売、及び英訳版NFTの発売に寄せる思いです。 本作、短編小説「ピュア」のNFTは、日本の商業作家が過去作品をNFTとして出品する初めての例です。また、世界に一つしかない、未公開の英語翻訳版を同時販売することも、もちろん世界初です。 私がNFTで自作の短編小説「ピュア」を、そしてまだ書籍化されていない英訳版を販売するのには理由があります。 それは、自作の英訳版をこの形態で販売することで、新しい日本文芸の翻訳のあり方を提示でき、ひいてはそれが日本文芸の翻訳文化の後押しにつながるのではないかと考えたことです。 出版業界の方はよくご存知かと思いま

                            なぜNFT?ーSF小説「ピュア」と、2つの異なる未公開英訳版のNFTを同時出品する理由|小野美由紀
                          • 「日本再発見」カタカナは、なぜ存在感を増しているのか?...日本語の「書き言葉」が「たくましい」理由とは

                            <漢字とひらがな、カタカナ、そして現在ではアルファベットも混ぜて使う点において、日本語は間違いなく世界でもまれな言語。なかでもカタカナが「躍進」している理由について> 柴崎友香の小説『春の庭』に、日本語がほとんどわからないアメリカ人夫婦が主人公に「コンニチハ」と挨拶する場面がある。 このように外国人の片言の日本語にカタカナがよく使われるのは、異国感を出せるからであろう。しかし、もっと言うと視覚的な効果が大きいように思う。 カタカナは見た目に滑らかでないため、たどたどしさが演出できるからだ。この「コンニチハ」を外国語に翻訳するにはかなりの工夫が必要だろうと翻訳者としては思う。 そんなカタカナの使い方として最近気になっているのは、「シン」だ。庵野秀明監督の映画『シン・ゴジラ』の「シン」は大きなインパクトがあった。 わたしは初代『ゴジラ』をリアルタイムで見ている世代である。そのせいか、「『新・ゴ

                              「日本再発見」カタカナは、なぜ存在感を増しているのか?...日本語の「書き言葉」が「たくましい」理由とは
                            • パンデミック下の書店と教室|新泉社

                              小笠原 博毅/著福嶋 聡/著 四六判224頁1800円+税ISBN 978-4-7877-2000-9 2020.11.28発行[ 在庫あり ] 書評・紹介 北海道新聞(2021年1月24日)産經新聞(2021年1月31日)月刊『望星』2021年2月号神戸新聞(2021年2月7日)読売新聞(2021年2月21日)図書新聞(2021年3月6日) 紹介文 ◎関口竜平さん評(『図書新聞』2021.3.6) 《人文知…というテーマには常に断絶がつきまとう。…必要なのは、その断絶の間を行ったり来たりすることであり、その往復のために必要なのが人文知なのだ》 ◎柴崎友香さん評(「読売新聞」2021.2.21) 《学びや人間関係にさえ即効性ばかりが求められる時代に、どう人との関係を作っていくか、社会のあり方を問い続けていくか、強く支えられるような対話だ》 ◎新開真里さん評(「神戸新聞」2021.2.7)

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