サムネイル画像は日本海海戦後に凱旋した第一艦隊幕僚たち。秋山真之会編『秋山真之』(昭和8年。国立国会図書館デジタルコレクション)より はじめに 日露戦争の発端は何処にあるのでしょうか? 日本がロシアを仮想敵国として強く意識しはじめたのはシベリア鉄道の着工がきっかけです。そのことは【日英同盟の回】で詳しく書きました。鉄道が開通する前、すでにロシアの版図は沿海州にまで及び、さらに領域を拡大しようとする形勢にあって、欧州と極東が鉄道で結ばれれば、さらに進出してくるだろうと予測されていました。 日本が恐れていたのは、かつてモンゴルが九州を襲ったときのように朝鮮半島が列強の基地になることでした。理想からすれば、日本は清国、朝鮮国と提携して列強の東アジア進出を食いとめることが望ましいのですが、現実には【日清戦争】に至ってしまいました。そして、戦争には勝利したものの、三国干渉によって領土は獲得できません