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鳥籠 英語 説明の検索結果1 - 3 件 / 3件

  • 芥川龍之介 上海游記

    愈(いよいよ)東京を発つと云う日に、長野草風氏が話しに来た。聞けば長野氏も半月程後には、支那旅行に出かける心算(つもり)だそうである。その時長野氏は深切にも船酔いの妙薬を教えてくれた。が、門司から船に乗れば、二昼夜経つか経たない内に、すぐもう上海(シャンハイ)へ着いてしまう。高が二昼夜ばかりの航海に、船酔いの薬なぞを携帯するようじゃ、長野氏の臆病も知るべしである。――こう思った私は、三月二十一日の午後、筑後丸の舷梯に登る時にも、雨風に浪立った港内を見ながら、再びわが長野草風画伯の海に怯(きょう)なる事を気の毒に思った。 処が故人を軽蔑した罰には、船が玄海にかかると同時に、見る見る海が荒れ初めた。同じ船室に当った馬杉(ますぎ)君と、上甲板の籐椅子に腰をかけていると、舷側にぶつかる浪の水沫(しぶき)が、時々頭の上へも降りかかって来る。海は勿論まっ白になって、底が轟々(ごうごう)煮え返っている。

    • 『あたらしいサハリンの静止点』読書会レジュメ(その1)

      この記事についてこの記事は、文芸同人・ねじれ双角錐群メンバーで行われた読書会のレジュメを公開するものです。今回の読書会の課題本は、文芸同人・第三象限によるSFアンソロジー『あたらしいサハリンの静止点』。読書会は前半3作品/後半3作品の2回に分けて開催予定であり、本記事では前半3作のレジュメを公開します。 レジュメは、事前に共有編集状態にして参加メンバー全員で自由に書き込む形式で作成しています。読書会はKindle電子書籍版に準拠して実施し、ページ数などの位置情報はKindleで開いたときの「位置No.」で示しています。 世の文芸同人活動のますますの発展を願います。 『あたらしいサハリンの静止点』についてはこちら 『サハリン社会主義共和国近代宗教史料』(二〇九九)抜粋、およびその他雑記全体的な感想共産主義運動と宮沢賢治の思想が樺太の地で出会い、宇宙開発競争、クローン技術を巻き込んでいびつな歴

        『あたらしいサハリンの静止点』読書会レジュメ(その1)
      • 織守きょうやさんの読んできた本たち 「アルスラーン戦記」は今読み返しても最高|好書好日

        織守きょうや(おりがみ・きょうや) 1980年ロンドン生まれ。2012年に『霊感検定』で第14回講談社BOX新人賞Powersを、15年に『記憶屋』で第22回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。2021年、『花束は毒』で第5回未来屋小説大賞を受賞。ほかの著書に『黒野葉月は鳥籠で眠らない』『花村遠野の恋と故意』『響野怪談』『幻視者の曇り空──cloudy days of Mr.Visionary』などがある。 >「作家の読書道」のバックナンバーは「WEB本の雑誌」で 好きな作品はいろんな翻訳を読む ――織守さんはプロフィールに「ロンドン生まれ」とありますね。いつまでそちらにいらしたのですか。 5歳までイギリスにいて、小学校の6年間は神戸、中学の3年間はドイツ、高校の3年間はイギリスという感じです。 ――なるほど。では、いちばん古い読書の記憶といいますと。 本当に古い読書というと、たぶん幼児の頃の

          織守きょうやさんの読んできた本たち 「アルスラーン戦記」は今読み返しても最高|好書好日
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