「止まらない本離れ」「街から本屋が消える」……。暗い話が目立つ出版業界だが、そんな“衰退論”を覆そうとする人々がいる。顧客が本に出合う場を変え、出合い方を変え、出合う意味までも根本から考え直す。そこには他業界にとっても価値がある、人口減時代に生き残るマーケティングのヒントがある。 新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、本に関するイベントの多くが中止や延期に追い込まれている。このコラムでも紹介した「二子玉川 本屋博」や「本屋さん、あつまる。」のような本の販売イベントが難しくなっているのは言うまでもなく、教育・研究界でも重要なシンポジウムや行事が次々とキャンセルになっている。家に1人でいても本を読むことはできるが、本の情報を伝え合う機会がなければ、出版業界は先細っていくばかりだ。 >>関連記事 書店なき渋谷パルコに集った「本屋さん」 教養より親密さの時代 そんな懸念が色濃くなる今年3月28