丸山さんが「ペッペ」と名付けて可愛がり、県の許可を取って飼育していたこのクマは、推定年齢20歳ほどのオスで、体長約1メートル。丸山さんを襲った後も逃げ出さず、檻の周辺に散らばっていたエサをあさって食べていたという。冒頭の遺族の言葉のように、丸山さんとペッペは長年、家族も同然だった。 現場はJR松本駅から車で1時間ほどの、数キロ続く狭い山道を登り切ったところに佇む古い一軒家で、周囲に住宅はほとんどない。 丸山さんは妻と二人暮らしで、娘は結婚して松本市内に住んでおり、孫もいたという。事件発生翌日の朝に現場を訪れると、丸山さんの親族が重機を使って穴を掘っていた。聞けば、ペッペを埋葬するためだという。