28日、ロシア・モスクワで、人権団体「メモリアル」の解散決定を言い渡す最高裁判事(左)(ロイター=共同) 【モスクワ=小野田雄一】ロシア最高裁判所は28日、露検察当局の請求に基づき、旧ソ連時代の政治弾圧などを調査・記録してきた露有力人権団体「メモリアル」の強制解散を決定した。タス通信が伝えた。米国と並ぶ超大国だったソ連時代を肯定的にとらえるプーチン政権は近年、「負の歴史」を暴く同団体への圧力を強めていた。決定は政権側による言論統制強化の一環だとみられている。 メモリアルは1980年代に前身組織が創設され、物理学者でノーベル平和賞受賞者のサハロフ氏も参加するなど、ロシアを代表する人権団体となってきた。 政権側は2016年、同団体を、スパイと同義で活動内容や収支状況を当局の監視下に置く「外国の代理人」に指定。以後、同団体は複数の幹部が児童ポルノ作成罪などで実刑判決を受けたり、多額の罰金を命じら