<著者は語る> 日本を代表する憲法学者・樋口陽一さんが90歳を前に回顧録『戦後憲法史と並走して 学問・大学・環海往還』を語り下ろした。今は亡き盟友で、俳優の菅原文太さんや作家の井上ひさしさんとの交遊も交え、焦土から立ち上がった「この国のかたち」を世界水準の憲法学で意義づけた人生を振り返っている。銃後の「少国民」から長じて護憲派の巨頭と言われる樋口さん。「先行世代を押しのけて1歩でも前に進んでほしい。なぜ反乱しないのか」と私たちを挑発する。(中村信也)
戦後を代表する憲法学者の最新講演集 リベラル・デモクラシーの現在 「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで (岩波新書) 作者:樋口 陽一 岩波書店 Amazon 改めて憲法に関する本が読みたいなと思い、そしてどうせならやはり定番著者の、しかも最近のものを……ということで手にとってみたのが、今回紹介する樋口陽一の岩波新書『リベラル・デモクラシーの現在』だ。 1934年生まれの樋口陽一は素人の私でも知っているくらいの代表的な憲法学者で、日本のいわゆる戦後民主主義を理論的に支えてきた人物の一人かと思う。(この辺りの歴史に詳しいわけではないのでこれから勉強します) 本書の冒頭で語られているが、著者はこれまで4冊の岩波新書を刊行している。順に『比較のなかの日本国憲法』(1979年)、『自由と国家―いま「憲法」のもつ意味』(1989年)、『憲法と国家―同時代を問う』(1999年)と、最初の3冊はそ
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