「ブラック企業」という言葉の一般化のおかげか、以前ほど不動産会社を悪しざまに言う声を聞かなくなった気がするが、それでも不動産業はなぜかイメージのよい商売ではない。 だが、昭和の新聞連載漫画のベストセラー『サザエさん』に登場する不動産屋の花沢さんは決して悪い人ではなかったはず。それが今では、正直であるだけでマンガになってしまうほど。いつから“悪い人”のイメージがつくようになったのか。主に賃貸仲介を例に見ていこう。 今、世の多くのビジネスはシンプルに向かっている。かつては多くの業界で、生産者と消費者の間には複数の卸売業者、問屋などが挟まっているのが当たり前だった。ところが、農家や漁師が消費者に直販するスタイルが出てきているように、昨今は中間事業者を排除する方向がある。ところが、それにまるで逆行しているのが不動産業界である。 わかりにくさがイメージの悪さに 賃貸契約時の煩雑さを見ればわかりやすい