(岩波書店・5500円) 「それはなぜ?」無限の問いかけ 画家が絵画について語った短文77篇。すべて、名画つまり他人の作品と、それによって紡ぎ出された自身の言葉と、自身の作品の三つによって構成されている。全点カラー。 読みやすく「考えるヒント」に満ちている。珠玉の散文集と形容してもいい。エッセイの新しいかたち、とか。だが、ことはそれほど単純ではない。一筋縄ではいかないのだ。読み進むのは簡単だが、立ち止まると動けなくなる。じつは全篇問いかけで出来ているからだ。 「この木が君にはどう見える?」というのが冒頭の一篇。表題はゴーギャンが弟子に発した問いだ。「色の名など覚えるべきではなかった。画家ならば幾たびもこう思ったことがあるはずだ。みどり、みどり、みどり、みどり、すべてはみどり、と言葉にするほかないが、ひとつも同じみどりはない」と続く。詩人・田村隆一の有名な一行「言葉なんかおぼえるんじゃなかっ
67歳迎え出版 30代から書きため 葛藤、感謝…人生を形に 七尾市小丸山台の居宅介護支援事業所ひなたぼっこに通う畠(はた)弘栄さん(67)が、ソーシャルワーカーや社会福祉士と一緒に、人生を振り返る詩集を作った。畠さんは脳性まひのため車いすで生活し、言葉を発しづらく、思いがうまく伝わらないもどかしさを抱えてきた。詩集は、自身の障害に対する心の葛藤や周囲への感謝などあふれ出る思いをつづっている。 (大野沙羅) 畠さんは福井県出身。祖母に育てられ、六歳の時に金沢市の障害児施設に入所した。小松市の小松瀬領養護学校高等部(当時)を卒業後、小松や金沢の施設で暮らし、二〇〇八年に七尾にやってきた。一一年から七尾市青山町の福祉ホーム「セェレーナ青山」で一人暮らしをして、週一回はひなたぼっこを利用している。 「詩を書いている。今度読んでほしい」。昨年四月からひなたぼっこで働くソーシャルワーカーの高名祐美さん
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