「これでもかと巨大な渦を巻いて揺れる」 「黄金のような暮らし 幻と消えた」 詩の朗読会「鎮魂と復興を希(ねが)って 能登半島地震を詩(うた)う」(北陸中日新聞後援)が23日、金沢市香林坊の香林坊アトリオであった。参加者は能登半島地震を主題に、悲痛な思いを詩に込めて朗読した。 (西浦梓司) 珠洲市の海(かい)沙恵さん(71)は、地震発生時に自宅で被災してから避難所に避難するまでの情景を表現。「長い長い時間揺れた。これでもかこれでもかと巨大な渦を巻いて揺れる。体、たんす、食器棚。渦巻き。らせん状。回る揺れる」と揺れの激しさを表した。 着の身着のまま避難した際の様子も朗読。「母屋の前の店舗と車庫も既にがれき。倒壊した店に右手を上げ、飛ぶように逃げる。逃げる。津波が来るぞ。津波が来るぞ。逃げる。逃げる」といった生々しい表現に聴衆は引き込まれた。