群馬大学病院で、同じ医師が執刀した肝臓の腹腔鏡(ふくくうきょう)手術後、患者8人の死亡が続発していたことが2014年11月に発覚した。肝臓や膵臓(すいぞう)の開腹手術でも患者の死亡が相次いでいたことがわかり、診療の 杜撰(ずさん) さが浮き彫りになったが、1人の患者が無理な手術によって重い合併症に苦しみ亡くなった様子を、家族がノートに詳しく書き留めていた。ベッドサイドで毎日、書き記されたノートは、なすすべもなく見守った家族の 慟哭(どうこく) の手記でもある。 (高梨ゆき子) この患者は2008年に亡くなった岡田麻彩さん(仮名)。当時20代半ばで、群馬大学病院に勤める看護師だった。腹痛が強く、膵炎の疑いで前年暮れに入院。膵臓に腫瘍が見られたが、術前検査では、がんかどうか不明なまま手術が行われた。 しかし、腫瘍は取りきれず、再手術する前提でいったん手術は終了。病理検査の結果、2週間あまり後に
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