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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (10)

  • ポール・クルーグマン『危機突破の経済学』 

    いただきました。ありがとうございます。 クルーグマンが日の政策当局に「謝罪」とか、インタゲを放棄したとか嘘もいいかげんにしろ、と思っていたたんですが、もうそろそろこれで決着でしょう。しかしなんでそういう嘘をついてまでインタゲやクルーグマンをはじめとする日の政策の失敗を指摘する面々への誹謗中傷が、ブログどころではなく、書籍ベースや新聞などでも展開されるのか? 当にこの日的な風土は奇奇怪怪といっていいでしょうね。英語が読めないとか聞き取れないとか、いろいろあるにせよ。 さて題です。書は解説の若田部昌澄さんの言葉にもあるように小冊子ながら「80分間世界経済一周」の旅を約束してくれるすぐれものである。しかも他のではあまり論じられていない、アメリカの「基軸通貨」議論や、日の東アジアの共通通貨圏構想なども検討していて、その過程でのクルーグマンがまだまだ考えをいろいろ思案しているその

  • 民主党が政権とると景気悪化 - Economics Lovers Live

    何かと読みがいのある『Voice』6月号。(名前は出てないけど)池田信夫批判もあるでよ。というネット向けの秋波をここで書くよりも重要度が高いのが、政権交代論議。最近は選挙の争点が「世襲」問題というなんともみみっちい問題になってしまい、拡大をやめない失業問題や不況の深化が政策の争点に実質的な意味でなってないのはなんともはやである。どうして政策の論点にならないかというと、対抗勢力であるべき民主党の経済政策が与党のものと類似しているか、その劣化コピー程度であることが原因である。 与党の経済政策も問題があるが、民主党のものは露骨に金融政策の積極的な援用をけん制しているだけ性質が悪い。すでに民主党の経済政策についてはこのブログでも何度も繰り返し批判してきた。また若田部昌澄さんの刺激的な題名のついた論説もある。今回の『Voice』では安達誠司さんが「景気回復を潰す政権交代」を書いてこの政党の経済政策の

    民主党が政権とると景気悪化 - Economics Lovers Live
  • 内閣府(岩田一政試算)、失業率は7%リスクの展望とその問題点

    経済財政諮問会議でようやく格的な今般の世界同時不況における日の現状についての分析がいろいろ検討されだしたようです。正直にいえば、きわめて遅い議論の展開ですが。また今回も白川日銀総裁は日銀行の弁明に終始している形です。 それはさておき報道などで注目されたのは、岩田一政議員(内閣府経済社会総合研究所長)の「失業率7%リスク」という見解でしょう。該当部分を以下に長いですが引用しておきます。 基的にこのブログでも紹介してきたもの(ここ、ここ、ここ)や、拙著『雇用大崩壊』での見解とほぼ同じです。 http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2009/0325/shimon-s.pdf (岩田議員) 今の吉川議員の説明に補足させていただきたい。雇用及び失業への影響という観点から、今の吉川議員の御説明に私の解釈を少し付け加えさせていただきたい。最初に、9ページの

    内閣府(岩田一政試算)、失業率は7%リスクの展望とその問題点
  • 日銀の国債引き受けの国会議決への助走 - Economics Lovers Live

    まぶちすみおの「不易塾」日記 決戦場より http://mabuti-sumio.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-dd62.html 民主党の経済対策も、「家計中心」、「無駄遣い排除による財 源確保」、「恒久的」の三点が政府案と違うところだとの訴え は悪くはないが、肝心なところが欠けている。 財政政策と金融政策の総動員、ポリシーミクスの観点。 政府の国債発行を批判するのは、野党の立場を考えればまぁギ リギリ了とするとしても、だからと言って一切の財政政策・金 融政策に触れない経済対策ってのは実体経済を触っている人た ちから見れば何とも「頼りなさげ」に映る。 政府紙幣発行について例の一件で一気に沈静化しているだろう から、今こそ日銀による国債の大胆購入を進める政策を民主党 は打ち出すべき。岩田規久男学習院大学教授が3月24日付け 日経済新聞経済教室の欄

    日銀の国債引き受けの国会議決への助走 - Economics Lovers Live
  • 書評:『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』

    『週刊東洋経済』に掲載された書評の草稿 日の将来に暗い翳をおとしている少子高齢化問題。その対策をどうするべきか。書は、出生率の上昇に貢献したフランスの少子化対策をわかりやすく解説した良書である。著者自身の現地での子育て経験や、またフランス人家族へのインタビューを通して、フランスの家族政策や社会保障制度の仕組みを、具体的に知ることができて面白い。 フランスでは子育ては人生の愉しみなのに、なぜ日では子育てが人生の苦労になりやすいのか。書を読むと、それはフランス人と日人の人生観の違いというよりも、政府の制度設計の仕組みの違いに決定的に依存していることがわかる。例えば所得格差、男女間格差、長時間労働などを放置すれば、出生率が低下するのはあたりまえだと著者はいう。 確かに日ではこの三つの問題を政府はうまく対処できていない。例えば、フランスの男性がいかに子育てに積極的であるかが紹介されてい

    書評:『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』
  • 漸進的構造改革の説明

    昨日、長幸男氏の『石橋湛山の経済思想』で解説した漸進的構造改革についてですが、その昔、拙著『経済論戦の読み方』(講談社現代新書)でも説明したことがありました。以下は、その新書そのものではないのですが、草稿の一部を貼り付けておきますのでご参考ください。誤記などがあるかもしれませんが修正はしていません。また漸進的構造改革は、このブログではここでも触れています。 漸進的構造改革とは? ところで構造改革は非常に時間のかかるものである。なぜなら構造問題の多くは利権集団による既得権益によって保護されており、その改革は難航するのが普通である。また慎重に進めないと、構造改革という美名の下にあらたな権益さえも発生しかねない。例えば国有化企業を民営化するときに、特定の集団や個人に企業を払い下げてしまえば、それは来の構造改革に逆行する。 このように複雑な権益システムを紐解かなくてはいけないために、歴史的に成功

    漸進的構造改革の説明
  • クルーグマンがインタゲ放棄したって? 何いってんの?(『Voice』5月号、クルーグマンのインタビュー登場) - Economics Lovers Live

    ご恵贈いただいている『Voice』の最新刊5月号。ポール・クルーグマンのインタビュー「日経済・再浮上への三大戦略」が登場。日では一部で「クルーグマン自ら、インタゲの有効性を明確に否定した」などということがネットだけではなく書籍ベースでも発言されているのをみて、その不見識に唖然とせざるをえませんでした。 もっともこのの中でも明瞭にデフレ不況脱出へのインフレターゲットのすすめを説いていて、以前とまったくかわらない彼の見解を読むことが(英語ではとうの昔に)できたわけです。さてそういう日風のバイアスは脇においといて、このインタビューは面白い内容でした。 まず冒頭、日経済は「4%のインフレターゲットを設定せよ」というズバリな発言。これはデフレ不況脱出のためのインタゲです。 クルーグマン曰く 再び日経済はデフレに戻る、という見立ては現実的になりつつあります。先の景気拡大時でさえ、日は著し

    クルーグマンがインタゲ放棄したって? 何いってんの?(『Voice』5月号、クルーグマンのインタビュー登場) - Economics Lovers Live
  • ポール・サミュエルソン「大規模な財政出動が急務 GDP30%減少のリスクも」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    一足早く読んでる『週刊東洋経済』。今週は春らしく経済学超入門として現場のエコノミスト(しかし現場の、というのも考えてみれば変な修辞ですな)の経済のかんどころを解説する記事が続く中で、御大ポール・サミュエルソンの激白*1。 要点を書くと 1 今回の不況は30年代の大恐慌なみ 2 バンクホリデーなどの銀行統制は恐慌脱出に効果なし 3 大型の財政出動が効果があるが、ただし現在の経済は不透明度がある(1.過剰なレバレッジを支えた金融工学の発展、2.野放しの企業ガバナンス)。野放しの企業ガバナンスこそ今回の不況の原因。 4 バーナンキの年内回復シナリオではなく、2〜3年回復に時間がかかり、しかもGDP30%減少のリスクある。失業率は11〜12% 5 大恐慌の教訓はルーズベルトの財政政策が効果があったことであり、もっと大規模にやれば景気回復はより早かっただろう。共和党側のルーズベルトが大恐慌からの回復

    ポール・サミュエルソン「大規模な財政出動が急務 GDP30%減少のリスクも」 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 『文藝春秋』「日本最強内閣」大アンケート - Economics Lovers Live

    うっかり更新した気になっていたら日を空けてしまった。実はいま、麻生政権後の経済政策というテーマ、そしてそれとは別にオバマ政権の経済政策というテーマの二で原稿依頼をうけている。前者はソフクリのメールマガジンなので近いうちに、皆さんも目にする機会があるだろう。もちろん僕はこのブログのエントリーを書いてすぐにまた仕事に向かえば、という条件つきだが 笑。 ただ「麻生政権後」の「後」というのはいったいいつなのか。僕はブログでも書いたが、憲法の規定が許すぎりぎりまでやってもおかしくないと、「西松建設ショック」後のいまでも思っている。というか、あのエントリーを書いたときに、すでにその種のショックが起きることを想定して書いていた(と似非政治評論家風に追記しておく 笑)。実際にありがちなのは、自民・民主双方に政治的な期待感の点で低迷したまま総選挙をむかえ、そして与党側がぎりぎり勝ってしまい、そして民主の方

    『文藝春秋』「日本最強内閣」大アンケート - Economics Lovers Live
    seijigakuto
    seijigakuto 2009/03/11
    「政治部記者84名の選ぶ最強内閣アンケートがあった。財務大臣、金融担当大臣で榊原英資氏が両方ともトップ、そして後者で大塚耕平氏が同一位、そして経済財政政策担当大臣が与謝野氏である」全員デフレ論者orz
  • [経済]高橋洋一・長谷川幸洋『百年に一度の危機から日本経済を救う会議』 - 2009-03-03 - Economics Lovers Live

    現状で出ている世界金融危機関係のの中で、日語で読める範囲でおススメできるのは、竹森、岩田、原田他のだけしかない。あとは読まなくていい。それに加えて日独自の政策現場の裏側までもわかるのが、高橋洋一さんの一連の著作であり、書はその最新ヴァージョンである。1月末までの状況をいれてあるのでその意味でも最新であり、特に今回は盟友である長谷川氏とのタッグで、いままでとは比較にならないほどの毒舌を発揮している。 政策的な話はこのブログの読者には耳にタコであろうかたすっとばす。以下では簡単に長谷川氏がからんだことでさらに明瞭になる、高橋・長谷川両氏による、日の政策当局がなぜまともなマクロ経済政策を行えないか、ということを「官僚帝国」批判とからめた箇所だけ紹介することにしておく。 1)なぜ日銀行はCP買い入れに消極的で、それを日政策投資銀行にやらせたがるのか? →財務省と結託して、その財務官

    [経済]高橋洋一・長谷川幸洋『百年に一度の危機から日本経済を救う会議』 - 2009-03-03 - Economics Lovers Live
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