もうすぐ絶滅するというリアルの書店に寄せて(上) この記事は、海外文学の世界を渉猟するためのガイドマップとなることを目指している。 前編として海外文学にまつわる基本情報を、後編として各出版社/各種レーベルの解説記事を載せている。なお、この記事の末尾には執筆の動機を示した前書きを置いている。 なぜ海外文学か 最初に、なぜ日本語で書かれた作品がこれほど沢山存在しているのに、敢えて外国語で書かれた作品を偏愛するのかを述べておこう。 一つ目の理由は、それが知的好奇心を満たしてくれるからである。特に、馴染みの薄い国の文化・歴史を知ることができる点は、間違いなく海外文学の楽しみの一つに数えられるだろう。歴史好きか、あるいは外国文化に興味がある人であれば、ハマれる要素は十分にある。私はヒキコモリの出不精で旅行は嫌いだが、紙と想像の次元で世界中を飛び回るのは大好きである。 もう一つの理由は、端的に作品のレ
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