気候変動に対する実際の行動の始まりなのか、それとも聞こえのいい目標にすぎないのか――。昨年10月26日、菅義偉首相が2050年までの二酸化酸素排出量をゼロにするとの目標を掲げたとき、最初に沸き上がった疑問がそれだ。 確実とは言えないが、これまでに日本の大企業394社が参加する気候変動イニシアチブ(JCI)のような新たなロビー活動の台頭により、意味のある行動を起こす可能性が高まっている。JCIは自民党の有力者との関係を構築しており、その中には、将来的に首相になる可能性もある2人が含まれている。河野太郎行政改革担当相と小泉進次郎環境相である。 ソニーが抱いている「危機感」 昨年の11 月に JCI参加団体の4 社(ソニー、リコー、花王、ニッセイアセットマネジメント)社長が河野行革相と会談した際には、ソニーの吉田憲一郎氏が問題提起。日本が2030年までに再生可能エネルギーによる発電量を40%以上