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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (8)

  • 処女でない少女には、何が残るか?「聖少女」

    少女から処女を引いたら、「う」しか残らない。そしてその「う」は、嘘の「う」だ。少女とは、処女と嘘から成り立っていることを知らされる、倉橋由美子の傑作。 やはり、作品にはふさわしい「読むべき年頃」がある。フィクションにまつわる仕掛けに不慣れな人が読んだら、ガツンと犯られる。高校生ぐらいのウブ(?)なわたしに読ませてやりたいw、いわゆる美少女ゲーム(死語)慣れしているなら、「交通事故」「記憶喪失」「遺された手記」の設定だけで見抜くだろうね(むしろ、これこそギャルゲのご先祖様だッ)。とはいえ、描写はリアルだ。 あたしははずかしさのあまり身悶えしました。熱い樹液のようなものが脚から胴へ、それからパパに捕らえられている果実の尖端にまで、はげしい勢いでのぼってくるのを感じながら、あたしは首を反らせ、パパの顎の下に頭をもたせかけていました。パパハアタシの胸がマダカタクテ樹ノ幹ミタイダトイウノカシラ? 残

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    selim
    selim 2010/05/11
  • リトマステスト的読書「アメリカの鳥」

    19歳の若者の「よちよち」具合が面白い、といったら失礼か。 も少し言葉を選ぶなら、自分の若かりし頃と重ね合わせ、彼の未熟さが引き起こす失敗や悩みを、一緒になって悲しんだり心配する。ただし、その失敗や悩みのいちいちがみみっちく、くだらない。リベラル的な発言は叩かれなれていないせいか、あっちへヨロヨロこっちでボカスカされる。 そこに普遍性を見出したのか、選者の池澤夏樹は「傑作」だとほめたたえる。彼とは趣味がかなり違うことも分かっているし、わたしなんざ足元にも及ばぬほどの読書経験を積んでいることも分かるが…ホント?面白がるポイント外してた、ボク?と自問したくなる。 主人公はアメリカの若者。カントの黄金律「他人の利益が自分のふるまいの目的となるようになせ」をよりどころにしている。時はベトナム戦争当時、所はアメリカの片田舎、パリ、そしてローマ。フランスという異文化でセイシュンやってる男の子の前に、さ

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    selim
    selim 2009/10/18
  • 「アジャイルプラクティス」はスゴ本

    marsさんが、「システム開発に関わる人はみんな読めー」と強力にオススメするにつられて読む。これはスゴ。marsさん、良いを教えていただき、ありがとうございます。 ■ どんな? 書は、開発現場で培われた「成果を出す習慣」を、45のプラクティスとして紹介している。開発速度を大幅に上げたり、高速納期を目指すような、「アジャイル開発プロセス」という決まったやり方は、存在しない。アジャイルな開発とは、現場でのさまざまな活動をアジャイルにしていく――つまり、変化に適応することを継続させていく―― 「習慣」だということに気づく。協調性+フィードバックによるプラクティスは、あまりにもあたりまえすぎて見過ごされがちかと。その反面、意識して実践するならばこれほど心強い金棒はないだろう。 ■ 忘れがちな基中の基「成果をあげるのが仕事」 面白いのは、「悪魔の囁き」と「天使の導き」との間で揺れ動く「感

    「アジャイルプラクティス」はスゴ本
    selim
    selim 2008/02/14
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: いきなりコンサルタントに抜擢されたSEが読むべき5冊

    上長から「来週からコンサルタントとして○○社に入ってくれ」なんて言われたときに、あわてないための5冊。以下の条件全部にあてはまる人のための選書なので、関係ない方はスルーしてくだされ。シリーズ化しつつあるエントリ( [その1]、[その2] )だが、ここらでまとめ。 システム開発チームのメンバーまたはリーダー 顧客の御用聞きを「コンサルティング」だと思っている ←これ誤り McKinsey や accenture といった「ファーム」と一緒に、顧客の中に入って仕事しなければならなくなった これまで、即効性と実用性で4冊レビューしてきたが、このたび5冊目として扱いたいガイドを見つけた(4冊目)のでまとめてご紹介。 ■最初に結論 コンサル会社がやっている「コンサルティング」は、決まりきった手順や方法を粛々と実行しているに過ぎない。目標に対して泥臭いぐらい愚直に反応する。そうしたメソッドと沢山持って

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  • ゆりさんから挑戦状を叩きつけられる→「けッBLかよ」鼻で笑って読む→気持ちが悪くなる→完敗(ごめん劇薬でした)

    わたしが知らない劇薬は、ゆりさんが読んでいた。 うん、確かに最悪の読後感を味わえる、いろいろな意味で。わたしと同性(男)の感想を聞いてみたい一方で、異性、特に嫁さんには絶対に見せられない。この「嫁さんに見せられない逸品」はギャルゲ・アニメ・同人etcとシリーズ化できるぐらいあるが、書はその頂点と相成った。 萌えるシチュエーションはそれこそ千差万別で、ユーザーの数だけニーズがある。いっぽう、いかなる状況でも萌えられるというのは、パワーユーザーの資質だ。 そうした思惑を粉砕してくれるのがこれ。突然世界が崩壊して、生き残ったのは男だけ(女は全滅、原因不明)。ウホッ、男だらけのジ・エンド・オブ・ザ・ワールドというやつ。「世界が終わる」はネタに困ったときの常套手法かもしれんが、だからといって女を殺すな、女を!(←この時点で、潜在読者の半分を作者自ら抹消している)。 世界の終わりとボーイズ・ラブの

    ゆりさんから挑戦状を叩きつけられる→「けッBLかよ」鼻で笑って読む→気持ちが悪くなる→完敗(ごめん劇薬でした)
    selim
    selim 2007/03/09
  • 「ローマ人の物語」を10倍楽しく読む方法:「カエサルを撃て」は強姦率100%

    塩野七生のローマは確かに面白いが、イイオトコに目がないという欠点(?)もある。ハンニバルであれスキピオであれ、イイオトコが出てくると、いたく贔屓して書いてくる。2000年も前の男に入れ揚げているのはこっけいだけど、そんなこと言おうものなら、「生きてる・オトコに・飽きたところよ!」と返されそう(古っ)。 だから、カエサルはとてつもなく贔屓されているんだろーなーと容易に想像できる。というのも、「ガリア戦記」を読む限り、非情にストイック&鋼の意志が感じ取れるから。こんなイイオトコを塩婆はスルーするはずがない。必ずや美辞麗句を連ねてこの天才を書いてくるだろう。マンガ描けるなら溢れんばかりに百合や薔薇の花なんかを添えてくるに違いない。 その結果、辟易するのは目に見えているので、予め「カエサルを撃て」(佐藤賢一)で中和する→結果:これはこれでウンザリできた。情けない中年男の悲哀に押しつぶされるカエサル

    「ローマ人の物語」を10倍楽しく読む方法:「カエサルを撃て」は強姦率100%
    selim
    selim 2006/09/15
    >「サトケンにハズレなし」初耳だ…。ていうか騙されないでお兄ちゃん!
  • せんせがいるから、この世界は地獄じゃないの。この世界は間違ってなんかいないわ、あたしが言うんだから本当よ

    せんせがいるから、この世界は地獄じゃないの。この世界は間違ってなんかいないわ、あたしが言うんだから当よ まさかラノベをスゴとして紹介することになろうとは──いちばん驚いているのはわたし。ふつうラノベは30分で片付けているにもかかわらず、「円環少女」はたっぷり2時間、夢中に没頭させられた。 ツンデレサディストつるぺた美少女、美乳女子高生(ハルヒ以上に世界を改変できる)、ツインテールで綾波な魔獣使いといったキャラも魅力的だ。あるいははらわたと脳髄飛び散る血ミドロ壮絶バトル←→ほのぼのお茶の間・六年一組との往還も面白い。 しかし、これは【魔法】世界設定【体系】がスゴいのよ。 普通人の視線で発動しなくなる「魔法」を背負って地獄(この世)に堕とされたウィザードたちの永き世にわたる闘いは、何のメタファーになるだろうか? 迷わずあたしゃ、「良識」と「個性」との闘争に置き換えたぞ。筆者は世界設定に何の

    せんせがいるから、この世界は地獄じゃないの。この世界は間違ってなんかいないわ、あたしが言うんだから本当よ
    selim
    selim 2006/07/28
  • ツンデレ小説ベスト

    1. 春琴抄(谷崎潤一郎) 2. きみとぼくの壊れた世界(西尾 維新) 3. 涼宮ハルヒの憂(谷川 流) 「春琴抄」は日文学屈指のツンデレ。昨今のブームに便乗した作品と比較しても、最高のツンデレ(ツンデレスト)だと断言できる。というのも、ツン→デレの彼我を超えるために彼がしたことは、とても常人では真似のできないことだから。 抜き差しならぬ関係が露見しても素っ気なく否定する場面なんて萌える。小説の悦びは、読み手の想像力にはたらきかけることにある。書いてない部分を妄想を逞しく補完するトレーニングとしてもGood!谷崎潤一郎やりおる! 「きみとぼくの壊れた世界」もスゴさは負けてない。ツンデレな妹と、ツンデレな同級生が出てくる。それぞれツンは普通だが、デレの鬼気迫る壊れっぷりを堪能すべし…てかこれこそが作のメインディッシュ。 ツンデレ妹なんだけど、主人公も(表面上は)距離をおいた態度を取る

    ツンデレ小説ベスト
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