ロードアイランド州にあるブラウン大学の図書館に1冊の解剖学の本がある。明るい茶色に磨かれた表紙は他の革張りの本と一見変わらないように見える。しかしこの本には秘密がある。実は表紙に使われている皮は人間の皮膚なのだ。 一流と言われる図書館の多くは、ハーバード大の図書館も含めて、こうした本をコレクションとして持っている。今日では人間の皮膚を使って革をつくることは異常に感じるかもしれないが、何百年も前には珍しいことではなかったと、メリーランド州にある国立医学図書館の稀覯本目録を作成しているローラ・ハートマンさんはいう。 1800年代後半のセントルイス・ポスト・ディスパッチ紙のある記事ではこれが「普通に行われていることだが、上流社会では語られることがなかったことを示唆している」とハートマンさんは語る。当時こうした図書は多くは個人が所有しており、その多くは切断した手足が入手しやすい医者だったという。彼