1788年にできたアメリカ合衆国憲法は、世界でもっとも古く寿命の長い憲法である。その3年後にできたフランスの憲法は2年しかもたなかったが、合衆国憲法は225年以上、何度も修正はあったが、ほぼ原型のまま続いている。これはその制度設計がすぐれていたためだろう。アメリカを理解するためには、憲法を理解することが不可欠である。 Constitutionというのは文字通り訳せば「構成」で、合衆国憲法は各州の法律をつなぐ条約のようなものだ。独立した当時の13の州(State)は主権国家で、独自の軍と法律をもっていた。課税も各州でやるので連邦政府には独自の財源がなく、州際取引には関税がかけられた。ただ独立戦争ではバラバラに戦っていては勝てないので、一種の軍事同盟としてアメリカ合衆国ができたのだ。 だから各州は当初、連邦政府が宗主国のように各州を支配することを恐れ、憲法に反対した。これに対して建国の父は『ザ