2013年6月26日は、米司法史上、歴史に残る一日となった。最高裁が、連邦法における「結婚」を男女間に限ると規定した「結婚防衛法(DOMA)」を、違憲とする判決を下したのだ。同時に、同性愛者同士の結婚を禁止するカリフォルニア州の「プロポジション8(提案8号)」も却下。下位裁判ですでに下されている「無効」の判断は今も有効であると実質上認めた。 【アメリカの婚姻制度とDOMA】 アメリカでは、結婚の認否は、州法で決することになっている。敬虔なプロテスタントが興した国であるという根本的な成り立ちから、キリスト教徒が多く、「家族」を大切にする伝統的な価値観が根強い一面と、なによりも「自由」を重んじ、個々人の違いを認め、「異種」を受容する寛容さを範とする一面を併せ持つアメリカらしく、この問題は長年論議の的となってきた。そうしたなかでも、「伝統的価値観」が優勢とされ、1996年にはこのDOMAが連邦法