細長いナスのような形をした大槌町では面積の大部分を山林が占めており、平地が少ない。そのため復興事業では防潮堤の建設や土地のかさ上げを伴う区画整理事業だけでなく、住宅の高台への移転を柱とする防災集団移転促進事業(防集事業)が多くを占めている。 その防集事業が今、大きな困難に直面している。 買収予定地の中で所有者がわからなくなっていたり、相続手続きの終わっていない土地が数多くあることが判明。町内のある地区では、江戸時代末期の文久年間に生まれた男性が所有者のままになっている土地が見つかった(表参照)。 別の地区では大正時代の抵当権が現在も設定されたままになっているうえ、4名の債権者のうち1名の特定に時間がかかっている。町がこの地区で買収予定地となった墓地の登記簿謄本を調べたところ、表題部(所有者欄)に「◎◎(実名)ほか4名」とだけ記載されていた。「ほか4名」を探し出して相続人を特定しなければ、そ
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