旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で汚染された土壌浄化のため、現地で試みられている菜の花を使った土壌浄化の、日本への転用に向けた準備作業が始まった。農林水産省では現地・ウクライナに幹部らを派遣。菜の花の放射性物質(放射能)吸収に関するデータ収集などに着手した。ただ、東京電力福島第1原発事故の被災地に応用するには、早くも課題が見えている。 「あちらにはデータが山ほどある。日本の研究者が現地の研究機関などから成果を学び、日本に合わせ研究することになっている」 菜の花による浄化実験が行われているウクライナ北部のナロジチ地区を視察した篠原孝農林水産副大臣は4月末、そう明らかにした。すでに日本の研究者が現地入りしている。 ナロジチはチェルノブイリ原発から西に約70キロ。1986年の事故から25年を経た現在も、食用作物の作付けが地区の95%で禁止されている。浄化実験は日本のNPO法人「チェルノブイリ救援・