12月22日に放送された漫才日本一を決める『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)を見ていて、印象に残った場面がある。6組目に登場した見取り図の2人が、お互いの見た目をけなし合うくだりに入ったときのこと。盛山晋太郎がリリーに対してこう言った。 「お前さっきから黙って聞いてたら、女のスッピンみたいな顔しやがって。お前な、なでしこJAPANでボランチおらんかった?」 この言葉が発せられた直後、一瞬だけ会場は水を打ったように静まり返った。『M-1』の決勝では厳しい予選を勝ち抜いた実力派の漫才師がネタを披露するため、そもそもスベるということが少ない。多少スベったとしても、客席の笑い声がゼロになるということはめったにない。 でも、このときにはそれがあった。盛山の発言は明らかに笑わせることを意図していたものだが、彼の思いとは裏腹に会場は一瞬だけ時が止まったように無反応になった。これは「スベった」というより
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