年間40本ほどのセミナーをしていますが、毎回受講生に聞く質問があります。「これまでに握手で失敗した経験がある人は?」。ほぼ例外なく全員の手が上がります。きっとあなたはこう思うでしょう。「握手みたいな単純作業をどうやったら失敗するのか?」と。 社会的動物として私たちが交わす、温かく、心強く、気持ちのよい握手は、社会的交流、調和、健康、生存、安心、そして本当の気持ちを伝える手段として欠かせないものです。 相手への気持ちを示す挨拶は、頬ずり、キス、ハグ、抱きしめる、握手など、文化によってさまざまな形で発展してきました。今日は中でも握手にフォーカスを当てて、悪い印象を残さないためのポイントをお教えしましょう。 握手という文化 握手は(Navarro氏出身の米国では)一般的ですが、世界共通ではありません。たとえば、地中海やカリブ海周辺の文化圏では親友の間ではハグや音だけのキス、抱擁の方が好まれます。