- 混合診療はなぜダメなのですか? と医師会の先生方にお聞きすると、必ず「混合診療を認めてしまうと金持ちしか良い医療が受けられなくなる」という答えが返ってくるが、残念ながらこの答で混合診療の怖さを理解できる人は、ほとんどいないであろう。 私も実はそうであった。医師会に入会した頃、よくこの話題が出て来て、その都度、このような回答を受けた。その都度、理解できなかったが、医師会の先生は混合診療のお話をすると、「とんでもない」と言わんばかりに、ちょっと血相を変えて説明して下さる先生も多く、これ以上言うと叱られそうな気がしたので、議論を止めておいた。実は、今でもこのような光景をよく目にすることがある。 混合診療に賛成な医師、あるいは、患者さんの考えはおそらく、混合診療が認められると、今の健康保険に追加して、まだ承認されていない薬や治療を施しても、健康保険で承認されていないものに関しては、実費を払い、
しぶしぶたたかうかんごふさん。栄養士をしていた母が「昔は看護婦さんが病棟で経管栄養の素をぬるま湯で溶かして調合してたもんよー、これが油臭くってねえ、とてもやないけど飲んでみようて気になれるもんやなかったわ」と言っていた。わたしが看護師になった10年前はまだ缶やアルミパウチに入った経管栄養をイリゲーターという吊り下げ式のボトルに入れて使っていたところもあったが、今はほとんどがこうした個別のパックになっていて、ディスポーザブルのルートを接続してぶら下げて胃ろうや経鼻胃チューブにつなぐだけのものが主流になっている。昔に比べれば味もずいぶん改良されていて、経口でそのまま飲めるぐらいのものもあるが、毎日これだけ多量の経管栄養を扱っているもので、調子の悪い日などはパックを開封したときに立ち上る甘ったるい匂いに胸がつかえる感じがすることがある、わたしにはどうも無理だ。 ケニアで一緒に働いていたデンマーク
しぶしぶたたかうかんごふさん。わたしがまだ卒後5年目ぐらいの頃勤めていた病院に転院してきた、わたしと同い年の女性患者がいた。末期がんだった。もう何の手を打つでもなくなった段階で、苦痛の緩和をしながらゆっくり最期まで過ごしたいと本人と家族が望んだので、それまで治療を受けていた都心の大きな病院から、何かあって電話すれば5分以内に駆けつけることができる近所にあるうちの病院に移ったのだということだった。入院からしばらくは意識も清明で、面会に来た友人たちと会話したり、家族がもってきた好きなものを少しずつ食べたりして穏やかに過ごしていた。わたしは同い年だったこともあって、子供の頃に見たTV番組や中高生の頃に流行ったものの話などをよくしていたように記憶している。ある雪が積もった日に「見たい」と言う彼女を、身を起こしただけでも骨転移であちこちの骨にひびが入るような状態だったので看護師3人がかりでベッドごと
死体組織の国際取引の流れ 死体から皮膚や骨、腱(けん)などの組織を集め、歯科インプラントや美容形成、スポーツ医療用製品の原材料として国際的に取引する動きが活発だ。高まる需要の中で死体組織の不正な入手も横行し始めており、米国の国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)は世界11カ国で8カ月間取材し、取引の不透明な実態に迫った。人体組織の取引を監視する法律がないため、出所のはっきりしない死体組織をめぐる感染症被害の危険性を指摘する声もある。 人体組織そのものを売り買いすることは禁じられているが、遺族の同意に基づく「献体」などにより遺体の組織が提供され、非営利団体の組織バンクなどを通じて医療現場に届くのが本来の形だ。 ところが、「人体組織ビジネス」は急成長を続け、規制の甘い旧ソ連・東欧が人体組織の「供給源」として狙われている。中には、公的機関が言葉巧みに遺族から同意を取り付けて死体の組織を
骨髄ドナーというのは、身近なようでいて周りにあまり経験者がいないものではないだろうか。 多くの人が「人の命を救うことができるならやってみたい、でも大変そう…」程度に考えていて、ドナーを経験した人は「すごい」「偉い」と単純に賛美の対象になる感がある。 私は、数年前にその骨髄ドナーを経験した。 本来ドナーになったことは大っぴらに公言してはいけないのだが、幸い?なことにこのブログの存在は誰にも明かしていないので、身元が分かることはまずないだろう。それよりも、自分の経験を少しでも多くの人に知ってもらう方が価値があるのではと判断したので、書いてみることにする。 長文です。 ドナーに適合したのは、登録してから5年ほどしたころ。 ちょうど大きな引越しが重なってしまい、コーディネーターと呼ばれる、骨髄バンクのスタッフの方には大変迷惑をかけた。 正直に言うと、本当に選ばれたのは非常に驚いた。 登録はしても、
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