意識の高い業界では、よく「カタカナ語」が飛び交っています。でも本当の意味をわかって使えているでしょうか。恥をかく前に、確認しておきましょう。「カタカナ語」の功罪について、英語学が専門の慶應義塾大学教授・井上逸兵さんに聞きました――。 相手がわからなければ優位に立てる フレームワーク、コモディティ……。なぜ人は一般的でないカタカナ語を使いたがるのか。理由はいくつか考えられます。 ひとつは、単純に格好がいいから。普段使われない言葉を使うことで、「自分は外国の言葉や文化を知っている」という自己顕示になります。相手がわからなければ優位に立てるし、議論で煙に巻く効果もあるでしょう。逆に、共有関係をつくる手段としても有効です。特定の言葉をお互いに知っていると、「この言葉を使っても大丈夫」という安心感から仲間意識が生まれます。 そして日本語に置き換えるのが難しく、カタカナでしか表現しようがない言葉もあり