山崎光学写真レンズ研究所代表 山崎和夫氏 山崎氏の手にかかれば、クモリやカビ、キズのあるレンズも新品のように甦る。 クモリやカビ、キズ、バルサム切れといったものは、レンズにとって天敵のようなもの。軽微なものであれば写りに影響することは少なく、一般的な修理や清掃で対応できることもないわけではないが、ひどくなると致命的なダメージを与える。今回、そのような通常の修理では手に負えなくなったレンズを見事に復活させる魔法のようなファクトリーがあると聞き伺ってみた。 「山崎光学写真レンズ研究所」は中央線大久保駅から徒歩10分ほどの住宅街のなかにある。出迎えてくれたのは、オーナーの山崎和夫さん、御年77歳だ。矍鑠とされたいかにも職人らしい風貌である。まずは業務についてお話しを伺った。 「レンズの研磨とコーティングが私どもの業務です。もちろんそれに付随する組み立てや検査も含まれます」