止まらない日本の財政悪化来年度概算予算が100兆円を突破し、一方、税収が伸びない状況下、財政赤字が拡大する可能性が高い。このため政府からの補助に半分依存する公的年金への不安が高まっている。いうまでもなく日本の年金は海外の先進国と違い、定年後の収入の中心となるものである。 2016年に設定した、2020年のプライマリーバランス(基礎的収支)黒字化の目標も破棄される。この目標がGDP対比の財政赤字に変更が図られているが、これは明らかに財政規律の低下である。 5年後の目標さえもできない財政の運営は、当然、年金のように、より長い期間の目標はできるはずがないと考えるのが自然である。つまり、財政および年金への信用が落ちているのである。 日本は約1300兆円の財政赤字(政府総債務残高)があるが、このうち約4割以上はこの10年で増加したものである。この財政赤字が、真面目な国民の将来に対する不安となり、消費
